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輸出の伸びにかげり=他途上国との成長の差反映

2006年11月17日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】今年度のブラジルの輸出は増加を見せて世界水準を上回ったものの、開発途上国に比べて低率となり、経済成長の差をまざまざと見せつけられた形となった。
 世界貿易機関(WTO)がこの程発表した中間年度報告によると、今年一月から九月までの輸出総額の伸びは一六%で、昨年同期のそれの二二・六%を下回った。昨年の世界平均が一三%だったことから、辛うじて上回ったものの、開発途上国には及ばず後塵を拝する結果となった。
 上昇率のランキングではチリがトップの四七・五%、以下順にベネズエラ(三五・五%)、ロシア(二九・六%)、中南米諸国平均(二六・六%)、中国(二六・五%)、インド(二五・五%)、エクアドル(二三%)、メキシコ(一九・九%)でブラジルは九位となった。ウルグアイがブラジルと同率、次いでアメリカ(一四・三%)、アルゼンチン(一二%)、EU諸国(一〇・四%)だった。ベネズエラ、ロシア、メキシコが原油産出国として原油価格高騰の恩恵を受けた。
 ブラジルの低率は八〇年代の水準に逆戻りした形となった。WTOではこの原因を昨年度の経済成長にあると指摘している。世界各国の一五%相当が成長率五%以上だったのに対し、ブラジルは二・三%にとどまった。中南米ではアルゼンチン、ベネズエラ、ドミニカ共和国が、GDP成長が九%を超える好調を示した。
 このほかの原因として一七%を超えるレアル高によるインパクトと、原油関連の輸出商品がなく、国際原油価格高騰に便乗できなかったことも指摘している。
 昨年の輸出総額の世界ランキングでブラジルは一一八三億ドルと二三位に位置づけた。トップはドイツ(九六九〇億ドル)で、以下ベストテンはアメリカ(九〇四四)、中国(七六二〇)、日本(五九四〇)、フランス(四六〇二)、オランダ(四〇二四)、英国(三八二〇)、イタリア(三六七二)、カナダ(三五九〇)、ベルギー(三三四三)となった。
 二十位がスイス(一三〇九)、二十一位がスウェーデン(一三〇)、二十二位がオーストリア(一二〇四)で、これらが今年六%以上の伸長がなければ、ブラジルは二十位に食い込めると政府筋ではみている。
 部門別では、ブラジルの農産物は年々増加しているものの最も上昇率の低いひとつになっている。昨年は八五二〇億ドルの実績で八%の上昇にとどまり、世界平均の九%に及ばなかった。実に二十年振りの不振となった。サービス部門はトップを占めた。二兆四〇〇億ドルで二八%の伸びとなり、中国、インドと並んだ。ドル安で海外旅行が増えて観光ドル流出は四七億ドルの六四%増となった。
 輸入ではブラジルは世界二七位にランクした。昨年は世界平均の伸びが一七%に対してわずか五%だったが、今年は二三%増となった。ロシアは二一・七%、インドは三五・五%、中南米諸国は二四・五%、中国は二一・六%、アメリカは一三・八%、EUは一四・五%の増加となった。