【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】ブラジル国内最大で輸出品のほぼ三分の一の積出し港、サントス港で海賊が急増していることで、保安を担当している連邦警察では警戒を強めている。
海上での海賊行為による盗難は過去七年間姿を消していたが、今年に入り被害が相次ぎ、連警への届出だけで三月以降五件を数えている。荷主に配慮して被害届を出さない船主もあることから、実数はさらに膨れ上がるとみられている。
被害のほとんどが、着岸待ちで沖合や運河入口に停泊する貨物船で、夜の闇に乗じて襲われている。連警では本格的に捜査に乗り出したが、今のところ実態はつかめていない。
サントス港とリオデジャネイロ港は一九九八年まで船荷盗難が年間十二件から十五件発生していたことで、国際海運機関では当時、両港を最も治安が悪い港の一つとして指定していた。このため回船が少なく、入港する船も船賃や保険料が高かった。しかし連警によるパトロール強化で姿を消していた。
今回の被害再発で連警は、夜間パトロールを強化するとともに、業務を早めて沖待ち時間を短縮するなどの対策を検討している。
サントス港で海賊急増=7年ぶり、ほとんどが夜襲
2006年11月17日付け