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セーラ次期サンパウロ州知事=長官9人を発表=主要部局固まる=政治理念共鳴者を厳選=行政管理に顧問団設置

2006年11月22日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ジョゼ・セーラ次期サンパウロ州知事(ブラジル民主社会党=PSDB)は二十日、財務長官に続く長官九人を発表した。これで主要部局の財務、法務、官房、刑務管理、保安、保健、社会福祉、企画、教育、交通の十局が確定した。未決定は農務、検察、広報、住宅、水源、運輸、文化、青少年、科学技術、大学(新設)、環境、労働、武官、観光の十四局。同知事はさらに、モントーロ元知事の州政にならって行政管理に四人からなる顧問団を設け、ゴウドマン副知事を座長に据える意向である。
 州政の要となる戦略的部署には政治理念で共鳴する者のみを厳選し、連立与党の自由前線党(PFL)、ブラジル労働党(PTB)、社会大衆党(PPS)の推薦者は、残りの部署に起用する方針らしい。主要部局でPSDB以外から起用されたのは、社会福祉局のアマト氏と教育局のヴァスコンセロス氏、保健局のバラータ氏、刑務管理局のピント氏などPFL党員である。
 次期知事は現在、サンパウロ市役所に勤務中のフェレイラ氏(官房)とルーナ氏(企画)、マレイ氏(法務)、コスタ氏(財務)の抜擢も決めた。市政に支障を来たさないよう、市からのスカウトはこの辺りで止めておく。いつも批判の矢面に立つ保安局に、マルザゴン元検事の起用を決めた。
 保安局はいつも、人権と犯罪組織との板ばさみになる部署である。担当者は両サイドに造旨の深い人材が必要だ。人権を配慮しながら、厳しく犯罪組織を取り締まる二刀流を使えること。この按配が難しい。
 州政府人事の約半数は決定したが、元閣僚は起用されなかった。しかし、全員が国家的見地に立って職務に没頭できる人材という。ゴウドマン副知事は元運輸相だが、顧問団座長として全局と連携しながら州政の作戦本部長の役目を担う。
 保安局と刑務所管理局は、二人三脚でことに当たる。この二局がバラバラだと、PCC(州都第一コマンド)に乗じられる。この二局は、次期知事が最も注視している部署である。
 州人事に当たり連立与党からの推薦や役職配分は考慮するが、起用はセーラ知事の一存で決めるとの声明が発表された。地方選挙では州議会の九四議席中、四九議席を連立与党が獲得し、議会対策で揺るぎない基盤を確立した。サンパウロ州は多数派工作の必要がない珍しい州であり、この体制は崩さない方針とセーラ次期知事はいう。
 これはセーラ知事の政治スタイルで、切符をもらったら黙って付いて来いというサインだ。セーラ親分は、子分に最低限のパンと水を確保する。それで文句があったら去れというもの。モントーロ時代に体得した政治手法らしい。
 残る十四局のうち、検察と広報、護衛は無党派の有識者へ。文化局は芸能人へ。科学技術局はMD(民主運動=選挙法で合併を命じられた少数派連合)へ。環境局は八議席を有する緑の党(PV)へあてがうらしい。議会対策の有力者マシャード氏のPTBや民主労働党(PDT)への割り振りも忘れてはならない。