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空前の活況呈す建設業界=過去最高の売上記録=住宅ローン法改正追い風に

2006年11月22日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】建設業界が空前の活況を呈し、我が世の春を謳歌している。建設会社はもとより建材販売業、不動産業、果ては宣伝広告業までが、過去最高の売り上げを記録している。
 住宅業労組によると、今年一月から九月までに発売された新築住宅のうち一一・二%が完売した。昨年同時期は八・二%だった。これにより年内の販売は一二%を超えると予想され、これまでの最高だった一九九四年の一一・七%を上回り、史上最高になるとみている。一九九四年はレアルプランが実施され、建築会社が独自の住宅ローンで販売を伸ばした。
 今年の住宅購入ブームは、先ごろ政府が発表した住宅ローン改正法案が大きく影響している。改正案は長期ローンを均等月賦とすることを義務づけた。これまでの住宅ローンはインフレをスライドさせた金利調整と価格修正が毎年行われ、返済額が不透明で、いわゆる爆弾を抱えたローンだった。この改正案で返済額が固定することで家計のやりくりが容易になった。
 今年九月までの住宅販売は二万四八戸に達し、昨年同時期の二一・八%増となった。金額では六一億一〇〇〇万レアルで、昨年より一〇億レアル上回った。その七〇%は中級階層向けの一〇〇平米ないし二〇〇平米のマンションで、価格は二五万レアルから四〇万レアルだった。業界では来年は下層階級向けの九万レアル程度のものに注力したいとの意向を示している。
 ある大手の建築会社は創立二十五年以来、初めての大幅収益を記録したという。七月から九月までの売り上げのみで九六二〇万レアルを計上、昨年比二三一%増となった。
 住宅販売専門の宣伝広告代理店も活況を呈しており、ある大手は今年これまでに一五〇件を担当、さらに新たに年内三〇件の予定があることから、創業以来の十八年間で未曾有の出来事だとし、社員全員が有給休暇や年末休暇を返上していると、嬉しい悲鳴をあげている。
 金融界でも住宅融資は格好の標的で、積極的に取組む姿勢を見せている。基本金利が引き下げ傾向にあることも後押ししている。ブラデスコ銀行では九月までに一六億レアルの融資を行っており、年内目標の二〇億レアル達成に迫っている。昨年は七億レアルに終わっている。サンタンデル・バネスパ銀行も同様に二〇億レアル融資に向けて注力している。昨年は六億四〇〇〇万レアル止りだった。
 業界の雇用も九月の時点で一五四万人に達し、一九九五年五月以来の最大となった。今年にはいってからは一〇・三%増を記録した。

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