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停滞知らない高級趣向=ある所には腐るほどある金

2006年11月22日付け

 【フォーブス誌一四四号】高級ブランド好みのブラジル人たちが、日常生活のストレスを解消するための消費財とサービス財市場が年々、二桁成長の有望産業としてクローズアップされている。
 この有望産業への参入はこれまでにない新しい哲学が求められている。この市場は孔雀の羽をつけたカラスのような上品気取りや格好よさ、自分を演出する見栄や虚栄心は無用の世界である。求められるのはモダンな高級趣向と革新の精神、洗練されたセンス、デザイン、社会的責任とその概念。前時代に求められた快楽は今、社会変革を媒介する商品に入れ替わった。
 高級趣向の歴史は、古代エジプトに始まった。その後ローマ帝国に移り、デラックスの概念も変わった。中世に入ると、デラックスは罪と位置付けられた。さらに産業革命を経て、デラックスとは時代の先端という見方に変わった。同時にぜい沢や快楽も付随し、快適な生活として最近登場した。
 快適な生活には、個人のエゴを満足させるという要素もある。それが最近、快適には義務が伴うという概念に変わりつつある。現在は全てがスピード化され、時間が最も高価なものとされている。世界はグローバル化が進行し、デジタル社会となりつつある。
 現代人の生活は、無数のコンセントにつながれている。エベレストの頂上にいても、オフィスにいるのと同じように連絡が取れる。現代人の悩みは、考える時間がないこと。それを解決するのは簡単ではないが、高級趣向方式を導入して安全弁を設けることだ。息抜き時間や埋め合わせ時間をつくり、考えられる限りのデラックスと王様待遇を味わうのだ。
 この世界の人たちにとって人生は、カウント・ダウンに入っている。各一秒が貴重な時間なのだ。だから高級品と高級サービスの需要は年々、増えるばかりである。ブラジルはない所にはないが、ある所には腐るほど金がある。拡大する市場には、多くの新規参入者が入れる余裕がある。
 ダズルの計算では、国内で一〇万人の顧客に一二〇のメーカーが供給している。顧客は国内のメーカーが、バラエティに富んだ新しいデザインの高級品を出品するのを期待しているという。アルヴァレス・ペンテアード大学(FAAP)は、フランスとブラジルにしかないという高級趣向・デザインの大学院二年コースを開設した。
 ブラジルは植民地時代以来、コモディテイばかりが特産物であったが、高級趣向品にも関心が向き始めた。代表選手ではH・SternやCarlos・Miele、Constanca・Bastoの先輩に続き、Rosa・Cha、Brumani、Dasluなどが欧米にネット・ワークを広げている。