【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】英国でブームを巻き起こした読者の投稿誌にならってアブリウ出版社は二十三日、新刊誌「SOU+EU」を発刊する運びとなった。ブラジルの出版界では初めての試みであるが、英国では二十年も経験を重ねたもの。
発刊の趣旨は、読者が有名人のタテマエ論ではなく、ホンネ論で意見を交わすという試み。有名人や著名人の寄稿では読者離れが目立ち、出版市場は先細りという。アブリウ社は刊行の趣旨を述べ、資金を公募したところ二〇〇〇万レアルが集まり、八五万人の購読先約注文が入った。
当初は新刊サービスとし一・九九レアルで発売し低所得層にも浸透するよう販促を行う。二〇〇七年は、二・五〇レアルに引き上げる。市場調査を行ったところ、Cクラスで発行部数の四分の一を消化できる見込みとなった。
SOU+EU誌は、同社の次世代有力誌として期待されている。ターゲットは、BCクラスの女性購読者を狙う。従来タイプの一方通行の雑誌ではなく、新聞雑誌テレビなどのメディアの中に新しい流れを造って行くつもりらしい。
アブリウ社が発行する婦人雑誌の中でも、同誌の発刊で競合は起きる。時代に沿わないものは、部数を減らすことになりかねない。一方で、ブラジルの読者は切磋琢磨しないから、発行部数は伸びないという否定的意見もある。
発刊に先立って同社は一年間、市場調査を行った。その結果、二つのことが分かった。一は読者が著名人の意見より普通人の意見に興味を持っていること。二は自分自身も意見を述べる場が欲しいと思っていること。この二つの理由から投稿欄を設け、ルールに従って投書を公募することにした。
投書の中からユニークで建設的なものを選者十六人が選び、プレミオ(賞品)を与える。投書テーマは美容から健康、流行、ビジネス、育児、しつけ、趣味と実益、処世雑感、無資本でできる事業、生活の知恵、「困っているので教えて下さい」など多岐にわたる。
読者投稿誌発刊へ=伯出版界では初の試み
2006年11月22日付け