【エスタード・デ・サンパウロ紙二十二日】十一月度の総合物価指数(IGP10)が一・〇二%の上昇となり、十九カ月ぶりの最高を示してインフレ再燃の兆候を見せた。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団が卸売価格と小売値の推移に基づき算出するもので、十月十一日から十一月十日までの期間を対象とした。
それによると前期間のインフレ率が〇・二一%だったのに対して五倍の上昇となり、最高でも一%とのアナリストの予想が裏切られた。しかし、同財団の調査グループは今回のインフレ上昇は短期の突発的なもので、来月には持ち越さず、年末のインフレはより低いものになると予測している。
この原因として、農産物の不作による価格高騰が挙げられている。同期間の農産物価格は卸売値で五・四二%の値上げとなり、前回の二・〇八%増を二・五倍上回った。このため指数が〇・二六%に対し一・四五%の高率へと反映し、これが原因で約二年ぶりのインフレ上昇に転じた。
卸売価格の高騰がIGP10上昇の基となっており、なかでもトウモロコシ(一四・二一%)米(一四・四〇%)、大豆(一一・三〇%)が主な原因だった。このうち大豆は指数の四分の一を占める主要品となっている。このほか鶏肉の九・五三%も特記される。
小売価格の主な値上げはトマト(三一・八四%)、レモン(一八・三三%)、鶏肉丸ごと(一〇・〇八%)、鶏肉バラ(六・六六%)、肉ミンチ(六・四三%)と食料品に集中している。これにより指数は前回の〇・一〇%から〇・二〇%へと倍増した。
食料品以外での要素では燃料のデフレが止まったことにある。先頃ガソリンへのエタノール混入率が二〇%から二三%に引き上げられたこと、および国際原油価格がまたぞろ高騰の気配を見せていることで、業界が先行不透明になっている。建材の小売価格も小幅ながら上昇した。前回は〇・一四%だったが今回は〇・二三%となった。
一月から十一月までのIGP10の累計は三・五六%で、過去十二カ月間のそれは三・六二%となった。これにより、ほかの総合物価指数を加味してもインフレは三・五%前後になると見られているが、それは現在も高騰を続けている大豆価格の動向如何にかかっている。
インフレ再燃の兆候=19カ月ぶりの最高値=農産物不作で食品中心に
2006年11月23日付け