【既報関連】先の統一選挙では連議、州議をあわせ十人の日系候補が当選した。今月十四日には文協で日系四十四団体の共催により「日系下院議員・州議員当選祝賀会」が開かれ、七人が出席。コロニアへの感謝と以後四年間の抱負を語った。二年後の日本移民百周年に向けて、コロニアの期待を一心に背負う日系の当選議員たち。歓迎会で、それぞれの思いを聞いた。
以下は各議員の紹介と抱負(祝賀会での発表順、敬称略。カッコ内は年齢、政党、当選職)。
「日系の名に誇り」=ジオネ・マルリ・ハシオカ(49、PSDB、南マッドグロッソ州議)
ハシオカ氏は非日系だが、夫が日系のロベルト・ハシオカ氏で、同州ノーバ・アンドラジア市で市長を務めている。「日系の名前を持ったこと、きちんとした組織を持つ日系社会に関係していることが私の誇りです」と挨拶。また百周年に関して、「大坪氏(同州議)と一緒にプロジェクトを進めていきたい。一月にある百周年委員会には参加するつもりです」と話した。
「七選の責任大きく」=大坪アキラ氏(63、PMDB、南マットグロッソ州議)
大坪氏は今回が七度目の当選。「私の親は百姓から始まった。日系社会が今のように発展したことが誇りであり、当選したことで自分の責任はより大きくなった。コロニアの代表として尊厳と敬意、責任と信頼を持って望みたい」と抱負を語った。
大坪氏は南マットグロッソ州百周年委員会のメンバーとして現在も活躍している。サンパウロ、パラナに次いで多くの日系人口を抱える同州には約一万五千人の日系人が暮らす。
「百年後には今いる私たちは存在しない。百周年には日系が一丸となって百パーセントの力で臨まなければ」と意気込んだ。南マットグロッソでは、百周年のモニュメント建設と大きな記念イベントを計画しているという。
「愛国心と日系の自覚」=フランシスコ・ウエジョ(28、PTC、ミナス・ジェライス州議)
ウエジョ氏は日系三世。ミナス州で日系州議が誕生するのは同氏が初めてのことだ。父親のパウロ・ウエジョ氏は州内サン・ゴタルド市の市長、副市長の職を八二年、九二年、二〇〇〇年からの三回にわたり務めている。
フランシスコ・ウエジョ氏は「差別を減らし、広いブラジルでより農業を支援して、ブラジルに経済発展をもたらしたい」とし、「愛国心と、日系の子孫であるという自覚と自信を持ってやっていきたい」と熱く語った。
同氏のいるサン・ゴタルド市には百家族の日系人がいるという。「百周年についてはまだ何も知らないのでこれから勉強していきたい」。(つづく)
コロニアの期待背負って=当選日系議員が抱負語る《上》
2006年11月23日付け