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◇コラム 樹海

 二〇〇八年に百周年を迎えるのは、ブラジル日本移民ばかりではない。北米ロサンゼルスの邦字紙、創刊百三年の羅府新報九日付けでは興味深い記事がでた。南加(南カリフォルニア)神奈川県人会が同年に百周年を迎えるに当たって、長老と三世の間に意識の溝ができているという▼一世の会長ら長老派は「知事を招待して節目としての記念式典を」と主張し、三世理事らは「夏のピクニック会場で気楽に祝えばいい」と特別な祝賀会を開くことに反対。「祝賀会の費用は一万ドル以上。どこからそんな金がでるのか。ピクニック会場で『おめでとう』でいい」と難色を示している▼第一回移民が一八六八年。移住百四十年を迎えるだけに、創立百周年の団体がぞろぞろある。南加福島県人会は〇七年十月に百周年記念式典を開催予定で、すでに県庁に出向いて知事らの参加を依頼した。同様に、南加福岡県人会も〇八年に記念式典を行う予定で、「次の百年に向けた足場作りをしたい」と言っている。やはり同静岡県人会は昨年式典を行った▼同紙は、一世紀以上たって県人会の役割が変化していると分析し、「過去に記念行事開催をめぐって、内部分裂する県人会もあった。百周年をきっかけに、県人会の存在意義について、会員一人ひとりが改めて考える機会になりそうだ」と結んでいる▼翻ってブラジルでは、いつまで県人会は存続できるのかと議論が起きている。北米に倣えば、移住百四十年時点では母県との関係が残るようだ。今年創立九十三周年を迎えた鹿児島県人会を筆頭に、当地でもいずれ百周年団体のラッシュとなろう。いや、なってほしいものだ。(深)

2006/11/23