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社会保障院の赤字拡大=今年1年間で420億R$に
2006年11月24日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】政府の対策にもかかわらず、社会保障院(INSS)の赤字が今年一月から十月までの累積で三七三億七〇〇〇万レアルに達し、前年同期比で二九・九%(八六億レアル)増加した。社会保障省が二十二日に発表した。
十月単月をみると、正規雇用の増加と病気手当支給の管理強化により、保険料の徴収額が前年同月比一五・四%増の一〇三億一〇〇〇万レアル、支出が同九・九%増の一三三億五〇〇〇万レアル、赤字は三〇億四〇〇〇万レアルとなり、前年同月の三二億二〇〇〇万レアルより減少した。
同省のシュヴァルツェル社会保障局長は、今年一年間の累積赤字の予想は四二〇億レアルのまま変更しないと述べた。十三カ月目の年金の第一回支払い分を九月に前倒ししたため、今後十一月と十二月に赤字が急増することはないというのが根拠。当初予想されていた五〇〇億レアルより八〇億レアル赤字を削減できる見込みとしている。
来年以降について同局長は、来年の赤字を四五〇億レアルと予想、最低賃金の調整をインフレの範囲内に留めること、一人当たりの国内総生産(GDP)の増加を前提に、次期政権の四年間に赤字を四〇〇から五〇〇億レアルに抑えるとした。赤字の抜本的解消には社会、経済情勢に応じた制度の変更が必要と述べた。
年々増えつづける赤字に歯止めをかけ、減少に転じさせるため政府は、十年以内に年金の満額支給を六十五歳以降に制限することなどを検討している。