【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】国内自動車メーカー十七社の生産車および輸入車あわせて五〇〇種類が市場に出回っている中で、フォルクス・ワーゲン社のゴール車が売上げトップの座を保持して、人気の高さを示している。ゴールは二十六年前の発売以来、昨年までの過去二十年間、売上げナンバーワンの驚異的記録を堅持し、大衆車として国内に浸透している。
しかし、ここに来て異変が生じている。フィアット社のパリオ車が売上げを伸ばし、トップの座の牙城に迫っているのだ。その兆候がすでに現われ、九月と十月はパリオの売上げが上回った。十月はゴールが一万六〇〇〇台だったのに対し、パリオは一万六九〇〇台となった。一月から十月までの累計はゴールが一五万四〇〇台で、パリオが一二万七三〇〇台となっており、年間売上げでゴールは二一年目の連続トップは揺るがないと見られているものの、来年以降の両車の熱い闘いが注目されている。
発売十年目と出遅れたパリオだが、年々その差を縮めてきている。一九九九年から二〇〇一年まで両車の売上げの差は一〇万台以上だったが、〇二年には七万八〇〇〇台、〇三年は六万一〇〇〇台、〇四年は四万七〇〇〇台、〇五年は五万二〇〇〇台、今年十月までは二万三〇〇〇台に縮まってきている。
大手自動車メーカー四社のうち、ほかの三社が赤字計上で経営不振にあえぐ中、唯一黒字決算のフィアット社は国内生産台数がトップになったことを追い風にパリオの宣伝に注力している。パリオは現在小売価格が二万四二〇〇レアルで、ゴールの二万三二〇〇レアルよりも割高となっているものの、価格競争をする意向は持ち合わせていないという。ただ自動車保険がゴールの半値となっており、これを追い風としている。
いっぽうでフォルクス・ワーゲン社は、一時期工場閉鎖の憂き目に立たされたものの、ドイツ本社が二三億レアルの増資のテコ入れをしたことで起死回生、ゴールのトップの座を死守することを至上命令として宣伝により一層注力している。
国内ではオーソドックスな車種が根強い人気を博している。売上げランキングの上位六車のうち四車が発売歴十年以上となっている。トップのゴール(二十六年)、パリオ(十年)に続き四位のミレ(フィアット、当初はウノーで売り出した)は二十二年、六位のGMのコルサは十一年を経過している。
この背景にはミレのように価格が二万レアルと格安なのが原因の一つだが、修理用の部品や修理代が安いことが挙げられる。今年の売上げは、三位のセルタ(GM)が一〇万二〇〇〇台、四位のミレが九万七〇〇〇台、五位のフォックス(VW)八万八〇〇〇台、六位のコルサ・クラシックが六万一〇〇〇台だった。
大衆車の王様はゴール=発売以来26年間売上トップ
2006年11月24日付け