コラム
失われたアイデンティティは復活するか──。ボリビア沖縄県人会が興味深い試みをはじめようとしている。
同国とブラジル・アマゾンとの国境にあるリベラルタには、約百年前にゴム景気を求めてペルーからアンデス山脈を越え、沖縄県系人が数百人規模で移り住んだ。
現在では五~六世の時代を迎えて現地化が進み、大半が「ウチナーンチュ」であることを忘れてしまった状態。同県人会の比嘉次雄会長は、実態調査をして次回のウチナーンチュ大会へ参加させようと試みている。
同じ〃アンデス越え〃移民たちの一部は、ブラジルカンポ・グランデまで進み鉄道工夫などになって定着し、現在では海外有数の同県系集団地となった。アンデスのどちらが裏か表か知らないが、留まるか進むかの決断がもたらした百年後の歴史的審判は非情だ。(深)
2006/11/24
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