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◇コラム 樹海

 食べるものを減らしても、これだけは購入して服用し続けている、とよくいわれる薬。無い袖は振れないのだが、そうした状況下でも、これが最優先されて、生活費用が割かれているのは確かである。実際、食べ物は、我慢をすれば食べなくて済むものは多い▼薬品販売業の巨大化にはびっくりさせられる。チェーン化されたファルマシアは、まるでスーペル・メルカードだ。医薬分業のせいもあるだろう。日本などの場合は、病院自体が薬を患者に出す。その分、薬局での販売は少なくなる。ブラジルでは、医者が薬を処方し、販売はファルマシアが一手に引き受ける▼大型の店は、大量仕入れをするという。その分値引きできる。正確には他店より安くする、である。薬品の原価など、当事者しか分らないから、値引きといっても買う側には実感が湧かない。なにしろ、五〇%引きというのもある。元値は永久のナゾのようだ。各店は他店の情報を詳細に入手し、一センターボでも安くと、と熾烈な競争を繰り広げる▼大型店舗の店先には、薬を買いたくても、お金が足りなくて、ほかの人に、アジューダを、と頼む人たちもいる。きけば、ごく普通に見られる風景なのだそうだ。低額のアポゼンタドリアで生活していれば、そうなるというのもうなづける。ルアで無差別にものをせびるのとは、少し違った感じがする▼薬品の必要性も、ファルマシアの巨大化や肥大化にも歯止めがかからないように思える。今後さらに拍車がかかりそうである。(神)

2006/11/24