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党が大統領に異議申し立て=下院議長は自党から=大統領の独走に「待った」=下議83人立ち上がる

2006年11月28日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】次期下院議長を巡って労働者党(PT)は二十六日、レベロ現下院議長(ブラジル共産党=PCdoB)留任というルーラ大統領の意向に異議を申し立てた。PTは議会対策ベテランのシナグリーア下議を第一候補とし、第二候補に十月選挙でPTとしては最高得票で当選したピニェイロ下議を推薦した。大統領は二十日、二月一日の下院議長選挙では現議長を留任させたい意向を党執行部へ伝えた。しかし、党は下議八十三人の連名で大統領の意向を不服とする意思表示を行った。大統領は二十七日に党の考えを翻意させるようジェンロ憲政相と協議する。
 下院の舵取りをめぐって、党が正面から大統領に異議を唱え、対決姿勢を見せた。党は十月の総選挙で五州を手中に収め事態が好転したため、第一期政権で無理した党財政を立て直し、党体制を一新するという計算があるようだ。
 大統領は二十日、レベロ下院議長が健康に優れ忠実で政策運営でも呼吸が合い、交代する理由はないと太鼓判を押した。それに党が執拗に食い下がったことで、大統領は「党員が共通点とともに、相違点も共有することを容認すべきだ」と応酬した。
 PT下議らは、大統領声明を無視することで合意した。PTは下院の八三票を握っていることで、独自候補を推し立てる考えのようだ。現状で行けば、連立与党から三人が名乗りを挙げることになりそうだ。レベロ現下院議長とブラジル民主運動党(PMDB)のヴィエイラ下議、オリベイラ下議の三人が、連立党へ根回しに動く気配だ。
 PTはこれまで数々の体験を積んだことで、大統領に正面対決を挑み、大きな賭けに出たといえそうだ。議長席を巡る最大の教訓は二〇〇五年、当時野党議員であったカヴァウカンチ下議に敗れたこと。同下議が所属する進歩党(PP)もその後連立に加えたが、前下院議長の亡霊は現在もPTを呪縛している。
 大統領側近らが、党の反発は批判のネタつくりと見ている。党の異議申し立ては、連立の根回しで霧消する問題という。ガルシアPT党首が、第三候補の推薦はPTだけで決められることではないとした。
 PT下議の不満は、レベロ支援を党に図らず大統領が独走したことにあるらしい。それにシナグリーア候補にせよピニェイロ候補にせよ、下院に確固とした支持基盤を持っている。カヴァウカンチ前議長に敗れたグリンハウフ下議とは訳が違うという読みがある。
 第一期政権はルーラ大統領の独走に振り回され、資金捻出に翻弄、多大な犠牲を出したことも党は見直したいらしい。十月選挙でアクレ、ピアウイ、パラー、バイア、セルジッペの五州が、PTの軍門に下った。大挙PT党員を送り込んで上納金を巻き上げ、党の財政立て直しを図る。
 セアラー州も副知事にPTが食い込んだので、同州の上納金制度も検討する。PTでは上納金滞納が年間一〇〇〇万レアルに上るので、懲罰制度を考案中だ。PTの債務が五五〇〇万レアルあった。他にヴァレリオ氏を通じて調達した資金が、判決次第では一億レアル以上の債務になる。