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「ブラジルともビジネスを」――新東京インターナショナル社――チリでサーモン養殖

2006年11月28日付け

 サーモン、いくら、たらなどの生鮮食材を日本に輸入して、品質管理の厳しい食品加工業界に提供している新東京インターナショナル社=本社・東京都港区=の十見(じゅうみ)裕代表取締役が十五日、市場調査などのために来伯し抱負を語った。
 水産物を扱う商社として八八年に始まった同社は、四年後には売上げを八倍にし、九九年からはチリで養殖を自社管理したサーモンの買付け事業を開始し、〇〇年には同国に現地法人「STIチリ」を設立。
 「サーモンを年間一万トンを扱ってます」と十見社長。世界で約百万トンと言われるサーモン養殖のうち、チリ国内で六十五万トンが生産される。「リアス式海岸で人があまり住んでいないところがたくさんある。世界で一番理想的な環境」と説明する。
 新潟県出身で大手商社を経て、現在の会社を設立した十見社長。「父の親友、速水さんがブラジルに移住していて、子供のころに南米の話をたくさん聞いた。いつしか南米に投資したいという夢が膨らんでいました」と回想する。
 ブラジルのサーモンは一〇〇%チリ産。養殖サーモンには大きく分けて四等のクラスがあり、日本へ行くのは上から二等まで。ブラジルにきているのは主に四等だという。
 「一番大事なのは冷凍施設」と強調。水揚げしたサーモンを一気に冷凍し、筋肉が死後硬直した状態で凍結させたまま運搬する。それを解凍してすぐ食べると、刺身の歯ごたえが違う。「日本の方は舌が肥えてますから」。現在は蓄養マグロも始めている。
 「いつかブラジルともビジネスしてみたい」。今回はわずか三日間の滞在だった。次回は「日本人の農園を見てみたい」との期待を語った。