2006年11月30日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】裁判長など司法関係者の三〇〇〇人近くが、法で定められた上限を上回る給与を受け取っていることが明らかになり、法の番人としてあるまじき行為と関係者のひんしゅくを買っている。
司法審議会と連邦裁判所が史上初めてとなる司法関係者の給与明細を調査して二十八日に発表したもので、二九七八人が上限を超えるスーパーサラリーとなっていることが判明した。法で定められている上限は、裁判長の場合は最高裁長官の給与と同額の二万四五〇〇レアル、判事や職員は二万二一一一・二五レアルとなっている。年金受給者もこれに準ずる。
グラシエ最高裁長官は法の順守を建前として同日付でスーパーサラリーのカットを命じた。しかしこれに対する反発は強く、対象者は人身保護法を楯に係争に持ち込む構えを見せている。ブラジルの法律では給与カットは禁じられている。
調査は全国の司法公務員一八万八六七四人を対象としたもので(軍隊関係は含まず)、スーパーサラリーはわずか一・五%となった。しかしサンパウロ州では一二〇八人と半数近くが集まり、最高給与も全国一の三万四八一四・六一レアルをもらう裁判長も存在する。次いでミナス・ジェライス州の三一八人(最高給与三万五九八レアル)、マット・グロッソ・ド・スル州が二三〇人(同三万三三八七レアル)、リオデジャネイロ州とマット・グロッソ州がそれぞれ二一九人、二一六人だった。
部署別では各州裁判所が二八五七人(公務員数一二万九〇三七人)と大勢を占め、連邦裁判所は一二一人(同二万一一二人)、労働裁判所および選挙裁判所は皆無となっている。
いっぽうで最高裁は長官の給与の五%昇給案を国会に上程したことを明らかにした。これが認められると、公務員給与の上限が現行の二万四五〇〇レアルから二万五七〇〇レアルへと引き上げられる。また十四人で構成される司法審議会は、八月二回の会合手当の一二%引き上げを申請したが、大統領裁可で拒否された。