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援協、会員増えているが…=地区委員総会で報告=会費未納が40%も=役付き理事任期は3期まで

2006年11月30日付け

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は二十五日午前、サンパウロ市リベルダーデ区の宮城県人会会館で「第二十九回地区委員総会」を開いた。地区委員や協会関係者など約六十人が参加。来年の総会員目標を一万八千人に設定し、広報活動をより充実していくと発表された。同会に引き続き開かれた臨時総会では定款変更がなされ、役付き理事の再選が二期までになったほか、臨時総会開催に必要な会員の参加人数は問わないことに決められた。
 総会では建林成幸地区組織委員会委員長が今年度の活動状況を報告。会員総数は今月十八日現在で、一万七千百五十九人。来年度の会員達成目標を一万八千人とし「毎月約百二十人のペースでいけば十分達成できる数字」とした。
 この一年間で会員は入会者と退会者を差し引いて七百六十一人の増加。会員数は年々上向き成長を続けており、日伯友好病院や総合診療所での特典割引が会員加入の大きな魅力になっていると説明された。
 このほか会員全体の約四〇%が会費未納入者として指摘された。合計未納金額は三十三万八千七百レアルに及んでおり、会費を二年以上支払わない会員は自然退会になると強調された。
 また建林委員長は来年のインフレ率を五%と予測。それに合わせて現在、五十レアルの会費を値上げするかは今後の定例理事会で討議したいとした。
 これらの報告に続いて、優秀地区員の表彰がおこなわれた。新会員勧誘のトップは、グアルリョスの前田徳英さんの十七人。会費集金は団体でモジ・ダス・クルーゼス地区の百六十九人、個人では同じくモジ・コクエーラの中谷哲昇さんの七十九人だった。
 地区委員は、会員の勧誘や会費の集金を担当し「援協の活動を支える縁の下の力持ち」。サンパウロ市内や近郊をはじめ、州内外に二百人以上がボランティアとして働いている。
 今年、山城粒吉さん(メルカード)、佐山惇さん(スザノ)、三上啓吾さん(バルジェン・グランデ・パウリスタ)、鈴木三郎さん(モジ)、福島民雄さん(南マットグロッソ州、ナビライ)の五人の地区委員が死去したほか、高齢化などで約七人が退任。新たに五人の地区委員が就任した。
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 地区委員総会に引き続き臨時総会が開かれた。〇二年の新民法発布を受けて制定され、役員の罷免などを決めるには総会員の三分の一以上が出席した総会で決議しなければならないとした現行の定款を改正し、総会開催には会員出席者数を問わず、出席者の半数以上の賛成で議案が可決されることが合意された。
 同民法は制定以来、ブラジルの各スポーツ・福祉団体から「実現には非現実的」として抗議の的になり、〇五年に改正されたもの。援協にとっても「約五千人に及ぶ会員を一堂に集めての話し合いは不可能」としていた。
 このほか「(役付き)理事の任期は二ヵ年とし再選することも出来る」とした第二十三条が、「再選を二回まで」とし、同じ役職では最大六年までの任期と追記されることになった。説明によれば、市や州政府の福祉事業を管轄する部署から指摘を受けての変更だという。