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所得税対象額を調整へ=来年と再来年に3%ずつ

2006年12月1日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】議員らと組合の圧力に譲歩する形で、政府は二十九日、所得税対象額の調整を二〇〇七年と〇八年に実施する方針を固めた。
 来年度予算案報告者のラウプ上議(ブラジル民主運動党=PMDB)と話し合った結果、政府は今後二年間に三%の調整を行うことで合意した。現行の免税対象所得一二五七・一二レアル未満は、〇七年に一二九四・八三レアル、〇八年に一三三三・六八レアルへと引き上げられる。一五%と二七・五%の税率対象額もそれぞれ調整される。調整による減税効果は一〇億レアルに上る見通し。
 マンテガ財務相は二週間前に調整は実施しないと発表していたが、二十九日に調整の可能性を認めた。調整率は議会の承認が必要だが、そこでは上方修正される可能性が高い。今年は七%の調整が計画されていたが、最終的には八%に引き上げられた。
 政府内で調整を強く主張したのは、元中央組合代表のマリーニョ労働相で、調整がなければ給与所得者の増税になるのがその根拠。調整に伴う税収減の穴埋めにラウプ上議は財政黒字のGDP比引き下げを検討していたが、結局、現行目標四・二五%の維持を受け入れた。
 所得税対象額の調整は、九五年まで前年のインフレ率に沿って行われてきたが、その後、物価安定と通貨価値修正制度の廃止に伴い、このルールも消滅。カルドーゾ政権は二〇〇一年まで調整を見送っていた。