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少年麻薬組織員の悲劇=重労働の収入を警官が搾取

2006年12月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】リオデジャネイロ市のファベーラを根城とする麻薬組織内に年々、少年組員が増加し、重労働を強いられている。麻薬密売で得た収入はパトロール警官にその大半が目こぼしで持っていかれるという。
 同市の人権擁護団体が十一歳から二十四歳までの組織員二三〇人を対象に、二〇〇四年六月から今年五月までの期間に調査した。さらにファベーラと組織のボスの特別許可のもとに、一五二人の少年らの毎日の行動を五カ月間にわたり追跡調査したところ、四十五人が殺害されていた。その六四・四%は警官が射殺したものだった。これらの少年の親族一四五人が過去に射殺され、うち四十一人は、犯罪に巻き込まれていなかったとの事実も明らかになった。
 調査によると、組織内の未成年者は十九歳以下が八八%を占めている。十一歳と十二歳が三%、十三歳から十五歳までが一九%、十六歳から十八歳までが六六%と最も多かった。十九歳から二十四歳までは一二%だった。
 少年らは麻薬密売所で重労働を強いられている。五九・五%が一日十時間以上の労働で、五七%が週休なしの状態だった。麻薬密売の収入は週当たり二〇〇レアルから四〇〇レアルになるものの、常に目を光らせている警官が目こぼしと称して大半を持ち去る、このほか三一%が生活費として両親に金を渡しており、稼ぎの良い商売として組織に加わった少年らは失望しているという。しかし、ほかの職場が見つからず我慢しているのが実情。
 少年らのわずか七%が通学しており、一〇・四%が八年間の初等教育を終えている。ほとんどが十一歳から十四歳の間に学業を放棄、十三歳から十五歳までの半数以上が麻薬に手を出した。