2006年12月6日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】各所での相次ぐ停電、水流に押し流される車、水につかる家屋、塀の倒壊―。四日午後からサンパウロ市を襲った集中豪雨が残した爪跡で、今回もサンパウロ市内は機能がマヒし、活動停止の状態となった。市緊急対策センターでは五二カ所の出水や水没地区を記録したことで、全市内に向けて緊急注意報を発令、午後九時十分の解除まで警戒態勢を敷いた。
わずか十日間で三度目となる今回の集中豪雨は、同センターによると、市内全域にまたがり、平均で四一・三ミリの雨量をもたらした。十二月の降雨予想が二〇一ミリであることから、四日の降雨量は二〇・五%に達した。十一月の降雨量が二十八年ぶりの最高を記録したことから同センターでは十二月も継続する可能性があるとみている。
出水のため午後十時までに六カ所が通行不能となった。交通局によると、午後九時の市内渋滞は一七一キロに達した。通常は九六キロ平均。エレトロパウロ電力会社では複数の停電のため、一〇〇組の修理隊員を出動させた。停電の実態は明らかにされていないが、復旧には最低二時間を要した。
コンゴーニャス空港は午後四時五十分から五時十九分まで閉鎖、これにより離陸便九機の運航がキャンセルとなった。ここ二週間、管制問題で飛行便が遅れているが、それに輪をかける混雑となった。
降雨が始まったのは午後二時半ごろで、市当局では注意報を用意して各区役所に警戒を呼びかけていた。救助を求める第一号は午後四時半、南部地区で四カ所の塀が倒壊したことで始まった。その後、同地区の二カ所のファべーラで家屋倒壊、浸水の救助依頼が殺到した。
最も雨量が多かったのが西部ブタンタン区で一二七ミリに達した。一ミリの水量は一平米当り一リットルに相当する。同区では水没した車の持主が車体の上で救助を求める姿が見られた。またピラジュサラ川は今年二度目のはん濫となり。周辺家屋は床上浸水の被害を受けた。
気象庁では豪雨は六日も続くと予想しており、警戒を呼びかけている。