トレンド

2006年12月6日付け

 サンパウロ市は、社会疎外者や犯罪人などを含めた一一〇〇万の人口を抱える典型的雑居都市なのだそうだ。世界の同タイプの都市が、消費動向を予想するためサンパウロ市のデータを利用する。データの中身は、一億六〇〇〇万匹のネズミを養い、ネズミが原因の病気が五五種類存在、市民一人当たり二〇〇匹のゴキブリを飼育しているなど。
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 伸び悩みのEU市場一辺倒から、東南アジア市場進出を照準に合わせた企業の構造改革が行われている。最高執行部の中にアジア戦略会議を新たに設置している。アジア地域の有望性を認識するのに、ブラジルは時間がかかり過ぎたようだ。
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 上院は二十八日、債務決済の保証として全ての不動産や収入を担保の対象とする法案を可決した。これまで世帯が所有する唯一の住宅は、債務の担保対象から免れた。これが評価三五万レアル以上の不動産は、債務決済のために競売の対象になる。同案は大統領のサイン待ちとなっている。
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 下院は二十二日、保税倉庫改正案を承認した。これまで保税倉庫の認可は入札方式で行われたが、これからは条件を満たせば、国税局がいかなる企業にも許可を出す。
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 スチール・ウールの女王、ボン・ブリウが三年間の法定管理にある間、アリスコから乗りかえた新進のアッソランによって、清掃用品シリーズを武器に業界を席巻された。アッソランは今度、シミ落としをヒット商品に考えている。ボン・ブリウは、創業者の手に戻ったので巻き返しを図る。
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 海賊版の攻勢で売上げを半分に落としたCD業界は、携帯電話への音楽吹き込みに賭ける。呼出し音にリズムの前奏が録音され、通話が終わるとリズムの残りの部分が演奏される。携帯電話の所有者は、自分の好きなリズムを一日に何度も聞ける。
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 IBMなど数十社は十二月十二日、新しい起業形態RSE(同業者組合)をサルヴァドールの汎米大会で発表する。RSEは起業家と社会団体、政府の協賛で設立する。これまで北東部がブラジルの疎外地域となっていたことで、ブラジルの発展に追従できるように、全員参加型の地域社会を起こす計画だ。