2006年12月7日付け
一九九八年に策定された大サンパウロ市圏の浸水対策では総量一一四〇万立米貯水池の建設が予定されていたが、八年後の現在までに建設された貯水池の水量は、その約四六%に当たる五二四万立米にすぎないことが判明した。五日の豪雨によるサンパウロ市内の被害推定額は一三〇〇万レアルに上る。
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ほ乳びんにコカインを入れて一歳3カ月の娘を殺害した容疑で逮捕されていた母親(21)が五日、十九日ぶりに釈放された。ほ乳びんからコカインが検出されなかったため。留置場で女性十九人から暴行を受けたという。初めて娘の墓参りをした母親は、娘はけいれんなど健康上の問題があり薬を服用していたが、それが麻薬と間違えられたと話した。
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連邦警察は五日、サンパウロ国際空港でコカイン三キロをかばんの中の布張りに隠して出国しようとしたイギリス人女性(63)を現行犯逮捕した。旅行費を払うからかばんをフランスで渡してくれとブラジル人の男に頼まれたと女性。
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誘拐したと偽って家族から身代金を奪おうとした男女二人が五日未明、サンパウロ市東部イネスモンテイロ通りで逮捕された。犯人の一人は電話口で大声で泣いて被害者が拷問されたように装い、家族をだまそうとしていた。
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サンパウロ大学人類学部の教授が、アマゾナス州に住むカボクロ(土民)について研究発表を行う。カボクロはブラジル発見以前から居住して農耕を営み、インジオとは別人種である。ブラジルの先住民といえばインジオとされ、カボクロはインジオの陰で忘れられた存在となり、国の特別保護も受けていなかった。