ホーム | 日系社会ニュース | 白熱のブラジル紅白歌合戦=観衆、なっとく満足=48組96人出場=ミナスからも=麻生外相メッセージを紹介=「日本語普及」も自負

白熱のブラジル紅白歌合戦=観衆、なっとく満足=48組96人出場=ミナスからも=麻生外相メッセージを紹介=「日本語普及」も自負

2006年12月7日付け

 良いお年を――少し早いが、そんな言葉が交わされる冬の風物詩「第十二回ブラジル紅白歌合戦」(日伯音楽協会、ブラジル日本アマチュア歌謡連盟共催)が、三日、文協大講堂で開催された。開会時にはすでに一階が満席。紅白分かれて四十八組九十六人が歌声を披露し、NHKより贈呈された優勝旗獲得を競った。白五勝、紅六勝で迎えた今年の大会では、紅組が白組に大差をつけて勝利。表彰式まで人がひくことなく、立ち見をする観客が多く見られ、大会は大いに盛り上がりを見せていた。
 午前九時過ぎに始まった開会式。出場者全員が舞台上に集合して華やかな衣装で会場を沸かせた。北川彰久日伯音楽協会会長は「八歳から八十歳までの幅広い年代が参加することに好評をいただいています。歌を通して正しい日本語の普及に務めてきました」と挨拶。
 西林万寿夫在サンパウロ総領事は麻生太郎外務大臣から寄せられたメッセージを紹介した。西林総領事は「日本の紅白よりも盛り上がりを見せているのではないか」と話して「フレーフレー白組、フレーフレー紅組」と声援を贈った。
 今年の審査員は、各日系団体を代表する四十五人。サンパウロ州の後援を受け、州を代表して州文化局地域担当のエリアニ・マシャードさんも審査に加わった。
 日本舞踊、三味線、マジックショー、洋舞などをはさみつつ、歌合戦は白熱した。十二回連続で出場をしているベテランも、今年初出場「紅白に出れてこんなにうれしいことはない」と話した新人も、それぞれが凝った衣装に身を包み、振り付けも華やかに舞台を飾っていた。
 二回の中間発表では、白三百八十九対紅三百二十八、白七百七十二対紅七百三で、白組が優勢に思われたが、最終投票では、白十三対紅二十六で、紅組が大差をつけて優勝。NHKから贈られた優勝旗を受け取った。
 最優秀審査員賞を受賞したのは民謡「宮城馬子唄」を歌った小林和八さん。審査委員長の羽田宗義さんは「発声もいいし、表現豊かな歌い方は、すばらしい。歌謡曲に負けず、活かされている」と講評した。小林さんは、ミナスジェライス州から飛行機でかけつけた。
 山田富子さん(82)は「素人じゃないみたい」と紅白の内容に満足げ。憩の園、希望の家、こどものそのの入園者ら約百人が招待され、歌合戦を楽しんでいた。日本からのNHK取材班も大会の様子を録画。担当の関根和利さんは「ここの雰囲気が日本にも伝われば」と話した。