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10月の工業生産は微増=大幅成長期待はずれる=低率ながら成長持続の声も

2006年12月8日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】ブラジル地理統計院(IBGE)が六日に公表したところによると、十月度の工業生産は前月(九月)度と比し、わずか〇・八%の増加となり、工業部門は相変わらず不振に喘いでいる。
 昨年同月比では四・八%の増加となったものの、より大幅成長を期待していた業界アナリストらは予想が裏切られた形となり、失望の色を隠せないでいる。また今年一月から十月までの累計では二・九%の成長となった。過去十二カ月間の累計は二・七%どまりで、業界では本年度成長予測の三%以内への下方修正を余儀なくされている。
 IBGEではこの成長鈍化の原因をドル安および、いまだに高率の金利と、失業増による消費経済の不振など、これまでの根強い不安材料に加え、急増した輸入品に対し国産品が競争力を失ったことを挙げている。また、投資が見送られたことも大きな原因だと指摘している。
 しかしいっぽうで、開発途上国の中で工業生産の成長が低いことを認識しつつも、ブラジルは継続的に最低限の成長を遂げており、憂慮に及ばないと楽観視している。現に全国工業連盟が先頃発表した業界の製品在庫が最少レベルになっていることが、復活の兆しだと指摘している。
 十月度の工業生産は部門別で明暗を分けた。資本財は前月比マイナス一・六%(昨年同月比九・三%増)、半加工品はマイナス〇・二%(一・八%増)、ハード製品は三・二%(一二%増)、ソフトおよびセミハードは〇・四%(五・四%増)だった。
 ドル安と輸入品の競合が直撃したのが靴(年間マイナス五・七五%)、衣料品(マイナス五・三%)、木工品(マイナス七・二%)だった。いっぽうで好調だったハード製品は白物製品と呼ばれる冷蔵庫、ガスコンロ、洗濯機が十月度で二〇・三%の伸びとなった。
 年末商戦の注文と消費クレジットの拡大が原因となっている。ほかの家電も一〇%以上の伸びとなった。しかし音響装置は輸入に食われてマイナス三・五%だった。自動車も好調で一三・六%の伸びを見せた。