2006年12月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】連邦最高裁判所は七日、政党間の格差による規制、いわゆる少数政党障壁を徴廃することを決定した。この決定は今年十月の統一選挙前にさかのぼって実効となる。
少数政党障壁は一九九五年に制定された法律で、少数政党の活動が限定され、政党への補助交付金も差別され、選挙では大政党と比べて不利な条件となっていた。今回の措置で差別が廃止され、格差が縮小された。最高裁は、差別は違憲だとの判断を下した。これにより、これまで肩身の狭い思いをしてきた政党は我が世の春の到来と喜びに沸いている。
これまでの法律では国会議員の五%以上、および最低九州で二%以上の衆議の議席を確保した政党が大政党とみなされた。今年の選挙でこの条件を満たしたのはブラジル民主運動党(PMDB)、労働者党(PT)、自由前線党(PFL)、ブラジル民主社会党(PSDB)、ブラジル社会党(PSB)、進歩党(PP)、民主労働党(PDT)のわずか七党で、これ以外の二二政党は少数政党として格付けされた。
少数政党の最大の不満は、政党としての補助金が交付されないことと、国会での特別委員会(CPIも含め)参加の資格が与えられないことで、今回の最高裁の違憲判決で今後、その機会を得ることになった。
さらに格付けが改正され、下議が一%に満たない少数政党、一%以上四・九九%までの中堅政党、五%以上の多数政党に色分けされた。これにより補助金は一%を少数政党、二九%を中堅政党、七〇%を多数派政党で分割することになった。選挙でのテレビ無料宣伝の持ち時間は多数派政党が二〇分、中堅が一〇分、少数政党が二分となった。
少数政党側は民主主義の勝利として最高裁の判決を受け止めている。少数政党のブラジル共産党(PC・DO・B)に属するレベロ下院議長は、国会議員はいずれかの委員会に属する権利を有し、また義務であるとした上で、今までの規制は片手落ちだったと決めつけた。自由社会党(PSOL)は、今回の選挙で下議三議席しか確保できなかったが、次回では勢力拡大が可能だと意気込んでいる。