2006年12月9日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】中央銀行は七日、通貨政策委員会(Copom)の前回会合の議事録を発表した。その中で、来年一月に開催予定の次回会合で基本金利(Selic)の引き下げ幅がこれまでの〇・五ポイントから〇・二五ポイントへと縮小される可能性が示唆された。
先月二十九日に開催された今年最後の会合では、年一三・七五%だった基本金利が一三・二五%に引き下げられたが、委員八人のうち三人が一三・五〇%への引き下げを主張していた。しかし議事録によると、「様々な経済指標を考慮すれば、現時点の引き下げ幅縮小は時期尚早であり」、委員多数の意見が尊重されたという。
今回の議事録の内容について金融市場は、次回会合で〇・五ポイント引き下げる可能性を完全に否定したわけではないとみて、特に悪い反応を示していない。ただ、インフレ圧力が高まるなど状況の変化次第では、〇・二五ポイントの引き下げにとどまるとみている。個人消費の過熱と生産の低迷によるインフレ圧力が、ドル安による輸入価格の低下で抑えられているが、こうした状況がいつまで続くか疑問視されている。
金利引き下げ幅の縮小を示唆する一方で、中銀は今後の経済は良好と判断している。政府支出削減の圧力にもかかわらず、議事録には「昨年第4四半期から始まった財政出動が来年も続くと期待される」と記され、経済成長を後押しするとみられている。