2006年12月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】サンパウロ州ブラガンサ・パウリスタ市で十一日午前一時ごろ、二人組の強盗が商店の女性支配人一家と従業員一人を誘拐して、強盗を働いた後に全員が乗った車に火を放って殺害を企てるという残酷な事件が発生した。
支配人と夫が車内で焼死、夫婦の五歳の男の子は車内から這い出した従業員に引っ張り出されて焼死を免れたものの、二人とも重体となっている。男の子は九〇%の火傷を負った。犯人は捕まっていない。稀にみる残虐行為に市民にショックが走り、犯人の早期逮捕を求める声が強まっている。
警察の調べによると、二人組強盗は十日午後十時半ごろ、支配人の家に押入り一家を拉致した上で、支配人の自家用車パリオ車に押し込めて、市内中心部の衣料品販売店に向かった。支配人はその店で十年間勤務していた。
しかし店内の金庫に鍵がかかっていたことから、鍵を保管している女性従業員の家に行き彼女に鍵を要求した。従業員も同行を希望して車内に入ったため人質となった。彼女は車内に見知らぬ二人組がいるのを見て、不審に思ったという。支配人の夫は車のトランクに押し込められていた。
二人組は店の金庫から現金と小切手合わせて約二万レアルを盗んだ後、車を郊外に走らせた。途中で四人を車中に閉じ込めたまま、ガソリンをまいて火を放った。支配人は助手席で焼け死んだ。警察の検視によると、頭部と胸部をナイフで刺された跡があることから仮死状態のまま焼け死んだものと見られている。夫はトランクの中で黒焦げ状態だった。
女性従業員は縛られて後部座席にいたが、何とか車外に逃れ出た。その時一緒にいた子供を夢中で引っ張り出したと供述している。火を放って立ち去った犯人らは五分後に死を確認するべく現場に戻ってきたという。
従業員によると犯人らは顔を見られたため、証言されないよう全員の殺害を決めたという。従業員は通りがかった夫婦の車で市内の病院に収容された。しかし生存を知った犯人から、一度は病院に、一度は家族に脅迫電話があったことから、警察は病院を移して監視保護している。
五歳の子供は郊外を歩いているところをパトカーに保護された。子供が両親の殺害場所に案内して事件が発覚した。子供は重体で手当を受けている。