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中道派への転向認める=ルーラ大統領=白髪と責任増えたと

2006年12月13日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ルーラ大統領は十一日、サンパウロ市内で開催された雑誌イストエー発刊三十周年記念式典に出席し、自身が年とともに急進左翼から中道に転向したと演説し周囲を驚かせた。
 「非常に高齢で左翼の人がいるのは、その人が問題を抱えているからだ。また、とても若い右翼の人も同じく問題がある」と大統領は、人は年を取るに連れ、政治的に急進的立場に立つことをやめるものだと述べた。「人は、円熟した六十歳になれば、右も左もない。我々は社会が進むべき中道へと立場を変えた」。
 大統領は、年五%の経済成長実現を目標とする政府計画に触れた直後にこうした発言を行った。会場にデルフィン・ネット下議(ブラジル民主運動党=PMDB)がいるか尋ねた後、「二十年に渡り自分はネット下議を批判してきたが、今は友人同士だ」とふざけ、会場の笑いと拍手を誘った。同下議が軍事政権の閣僚だったことを踏まえながら、「極右の人は中道派、極左の人は社会民主主義者」へと、人は白髪と責任が増すにつれて立場を変えてゆくのが自然だと、説明を加えた。
 「今年注目のブラジル人」賞を同誌から受け取った大統領は、「ブラジルがインフレに戻ることなく、放漫財政なく成長することを望む。それが我々の挑戦であり、実現するよう取り組んでゆく」と、次期政権への抱負を明らかにした。