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コラム オーリャ!

2006年12月13日付け

 米下院で先日、太平洋戦争中の日系人強制収容施設を修復、保存する法案が可決された。世界で日本人が敵国人になるきっかけとなった真珠湾攻撃。旧サントス日語校の返還署名式が行われたのは、奇しくもその記念日の翌日だった。
 サントス地域からの強制立退きの日、学校から帰宅した子供たちは親からその事実を知らされ、町を離れた。同地日系社会の努力の結晶だった学校は、何の前触れもなく終わった。
 あのまま接収されることなく続いていたら、どうなっていただろう。分らない。でもあの時何かが失われ、そして戻らなかった。古希を過ぎた元生徒達の顔に、六十三年の歳月の重みを感じた。
 署名の日、鍵を手に両手を高々と上げた遠藤日本人会長。この日、サントスの『戦後』が一つ終わったのかもしれない。失われた時間を取り戻すのは、これからだ。(ま)