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執行棚上げの連邦予算=優先基準なく先送り続く

2006年12月14日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】年末まで一カ月を切った現在、連邦政府予算の執行状況をみると、三四一件のプログラムのうち一〇二件は予算の三〇%未満しか執行されていないことが、連邦行政関係情報統合システム(Siafi)のデータで確認された。
 予算の執行率は平均七六・九%だが、アナリストらによると、公共投資など優先すべきものを優先しない場当たり的で非効率な執行になっているという。
 例えば現在問題となっている航空管制と安全運航への対策として、五億三一〇〇万レアルの予算が計上されていたが、執行されたのは二億一〇八〇万レアル(三九・六%)に過ぎない。連邦道路の管理・整備も二三億六四〇〇万レアルの予算に対し、執行額は三四・七%に当たる八億二〇七〇万レアル。ルーラ大統領が選挙で目玉公約とした上下水道の整備関連プログラムは、執行率が二・五%から一八・七%まで。予算八億六九〇〇万レアルの小都市開発支援プログラムの執行率はわずか〇・一一%に留まっている。
 執行遅れの理由は、議会での予算案修正に加え、政府内にプログラムの優先基準がない点が挙げられる。政府は今年、公共投資の前年度予算七〇億レアルを執行したが、今年度予算九三億レアルのうち執行されたのは四六億レアルと、予算の執行年度がずれこむ実態が、Siafiのデータで浮かび上がっている。
 財政プライマリー黒字目標達成という課題を抱える政府は、財政改革を伴った支出の効率化ではなく、執行の先送りという安易な手段を選んでいるとエコノミストらは批判している。