2006年12月16日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ブラジルの石油供給は需要を満たしておらず、自給自足になるのは二〇〇七年二月になるとの新事実が明るみとなり、関係者に驚きをもって迎えられている。
ペトロブラス(石油公団)のガブリエリ総裁が十三日行われた記者団との忘年夕食会の席上で明らかにしたもので、過去十二カ月間の需要の一日当り一八五万バレルに対し、供給は一八〇万バレルで年内の自給自足はおぼつかず、二カ月後に先延ばしになったという。
ペトロブラスは今年の大統領選公示の二カ月前の四月、P―50と呼ばれる新油田の採掘所の落成式で、自給自足になったことを誇示、大統領出席のもとに大々的な記念式典を行った。この際の宣伝広告費用は三七〇〇万レアルに上った。しかるに自給自足に至らなかったことで、記者団から虚偽の宣伝にともなう大統領選を有利に運ぶ事前運動と指摘する声が挙がった。これに対し同総裁は軽率な誇張宣伝ではなく、採掘所の技術的な問題で産油が遅れたのみだと、苦しい弁明を行った。
同総裁によると目標未達成の原因は、当初の一九一万バレルの見込みに対し、ペトロブラスが自給のシンボルとしたアルバコラ・レステのP―50油田に加え、カンポ・デ・ジャバルテのP―34油田の操業一時停止を挙げている。
しかし、操業再開後は順調でペトロブラスの産油は十月で一日当り一八二万一〇〇〇まで上がっており、他企業とあわせると需要一八五万バレルを上回ったと説明している。石油庁の統計では十月までの平均は一八三万三〇〇〇バレルで需要を下回り、ペトロブラスとの見解に隔たりを見せている。
ペトロブラスでは二〇〇七年に総量四八万バレルの四カ所の新規採掘を計画している。これによる産油量(ガスも含む)が二二三万バレルと予想しており、外国での生産も加えると日産二五〇万バレルになるとみている。