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悪徳警官80人を検挙=麻薬、賭博組織とゆ着=保安長官も関与した疑い=リオ

2006年12月19日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】連邦警察はリオデジャネイロ州で十五日、犯罪組織とゆ着する悪徳警官の掃討作戦を展開、前代未門となる八〇人を検挙した。
 作戦は二つに分けて同時に行われ、一組は麻薬組織と、もう一組はスロットマシーンのマフィアとのゆ着で、ほとんどの逮捕者が両方の容疑に関与していた。麻薬組織と関連した警官らは、押収した武器や麻薬を横流ししたり、パトロールを免除して賄賂を受け取っていた。
 警察史上初めての大量検挙に軍警総司令官も事態を重視、直々に取調べに同席した。犯罪専門家筋は今回の大量検挙を賞賛するものの、時間の無駄だと決めつける向きもある。警官の根本的体質の改善と、軍警や市警内部の規律委員会の幅広く強力な権限移譲(法的に定めた)が必要だと強調している。
 逮捕者の裁判でクロと断定されても容疑者は控訴や上告の権利を有し、検察側は物的証拠を提示しなければならない。これまでの例では電話盗聴が起訴の基となり、物証が乏しく無罪になるケースが多い。逮捕された警官の同僚が証拠いん滅をしたり証人の口封じのために殺害することも平然と行われている。
 今回の掃討作戦は捜査員三八〇人を動員して七カ月間の内偵のもとに行われ、逮捕劇にはサンパウロ州やミナス・ジェライス州から応援部隊が駆けつけた。連警は一二二人の逮捕状を取付けた。このうち四〇人は第一四部隊に所属する軍警だった。
 なかでも注目されたのは、同州ガロチーニョ前政権とロジーニア現政権(前知事の妻)の二期にまたがり同州保安長官を務めたリンス容疑者だ。同容疑者の嫌疑はスロットマシーンのマフィアに便宜を計ったのと、犯罪組織の結成。
 さらに十月の総選挙で州議の当選を果たしたが、マフィアから不正な選挙資金の献金を受けた疑い。連警は同容疑者の逮捕状執行を求めたが、連邦地裁で却下された。実は同容疑者は十四日、州議当選の認証状を取得した。地裁では議員特権扱いとした。連警では議員特権は二月の就任以降が実効だとして選挙高裁に異議申し立てを行った。
 いっぽうで同じ部隊から四〇人の逮捕者を出した一四部隊の軍警らは、スロットマシーンのマフィアへの便宜のほか数々の悪行が明らかになった。スロットマシーンの縄張り争いは数字クジ(ビッショ)組織同士でし烈を極め、これまでに五〇人の死亡者が出ている。軍警はこれに加担した疑い。
 このほか特定の麻薬組織を関連し、ライバル組織から押収した武器や麻薬を横流ししていた。これらで得た金の一部は部隊の予備金として積み立てられていたことも明らかになった。
 ロジーニア知事は警察の前トップが悪の頂点にいたことに対し、何らコメントを発表していない。

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