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コラム オーリャ!

2006年12月19日付け

 サンパウロ州ボツカツに健在の田村豊秋さん。バタテイロで、コチア青年のパトロンを引き受けていた。七〇年から七五年にかけて、バタタ最優秀生産者として表彰された第一人者でもある。
 「セラード開発にも一番のり。青年三人と一緒に入ったよ」と懐かしそう。「小麦、大豆、とうもろこし。サンパウロでできなかった穀物をここでやってのけた」と、当時を振り返る言葉には乗り越えた苦労の分の重みがあるように思えた。
 三年ほど前に事業から手を引き、約千アルケールあった農場は、今は百アルケール。毎年、梅四百本、桜五百本がみごとな彩りを添えるという。「文協の花見大会をやったことも、釣り大会をやったことも」。
 現在の農場は、まるで時間が止まったように穏やか。昔の〃忙しかった〃時代を想像しながら、ゆったり話す田村さんの声を聞いていた。(稲)