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コラム 樹海

2006年12月20日付け

 長野県は、伝統的に〃教育県〃といわれる。教育に熱心な県という意味である。ブラジルの長野県人およびその子孫が多い集団地にも教育関連の支援を行ったりする。他県にあまり類をみない行為である▼これまで敬老祝い金を母県からもらっていた在伯県人会がいくつかある。それが、母県側の財政が窮屈になったことから、だんだん打ち切られるところが増えてきた。そのうち、すべて打ち切られるだろう▼そんな情勢のなかにあって、長野県は今年も、グァタパラ移住地に対し「日本語教育助成金」を送ってきた。伯貨に換算して「五千四百二十一レアル」であった。この額が、多いか少ないかについては、異論があるだろう。移住地文協は「日本語学校として有効に活用します」と礼状を書いた。この助成金、もう十数年続いている。長野県は考えてくれているのだ▼グァタパラの日本語学校は、実は、文協や父母たちの支えがあり、運営面でそんなに逼迫している事情はない。父母たちは、イベントを通じ、学校が困らないように常々貯える▼同校は、サンパウロの日本人学校と定期的に生徒交流をすることで知られている。日本人学校の生徒(駐在員子女)のなかには「鶏が何を食べているのか」知らない子もいるそうだ。移住地の飼料工場や養鶏場をみて初めて知るのである。定期交流の経費も、長野県からの助成金が活かされているのではないか、とあらぬことを想像した。厚い支援が、額の多寡でなく、より長期続けばいいと思う。(神)