2006年12月21日付け
来年七月に開催予定の〃百年祭の前夜祭〃、第四十八回海外日系人大会と第十四回パンアメリカン日系人大会の合同大会の概要が徐々に煮詰まりつつある。統一テーマには、国境を越えた団結で各国の発展に貢献という意味を持たせる予定。約二十カ国から日系団体代表者三百五十人と、ブラジル内の日系団体から七百人が日本文化継承や日本語教育などに関しても討議し、二十一世紀の日系人像をさぐる貴重な機会となりそうだ。
「世界の日系人に、百周年をアピールする絶好の機会です」。二十日来社した合同大会の矢野敬崇実行委員長は、サンパウロの移民史料館や南米の講道館といわれるイビラプエラ柔道場、サトウキビ品種改良に貢献した日系人の存在などを挙げ、「この機会にブラジルの日系人の活躍を世界中の方に知ってもらい」との抱負をのべた。
副委員長には伊藤昌輝さん(海外日系人協会専務理事)と高島末利さん(パンアメリカンブラジル日系人協会副会長)が就任。ブラジル側の海外日系人協会担当の通信員は小松雹玄さん(元JICAブラジル所長)、事務局担当は黒沢儀人さんが決まった。
大会日程は〇七年七月十八日に開会式、翌十九日に会議、二十日には日系最古の移住地の一つレジストロを訪問し、当地の百周年に向けた取り組みはもちろん、移民資料館や茶畑を視察、先亡者慰霊碑で法要するほか、地元日系人と交流する。大会会場は、サンパウロ市のブルーツリー・コンベンション・イビラプエラ。
最終日の二十一日には、ブラジル日本都道府県人会連合会主催の「第十回日本祭り」会場を見学して、国際カラオケ大会、閉会式などが予定されている。
この合同大会には、フィリピンやインドネシア、オーストラリア、欧州各国をはじめ、北南米諸国を入れた二十カ国以上の代表が集まる。ブラジル国内でもベレンやマナウスから参加者を含めて七百人が出席する見通しだという。
矢野実行委員長は、「各国の青年が集まって顔を合わせることにより、何か新しいものが生まれるのでは」と期待している。百周年前年に開催するだけに、将来に向けた各団体との連携は不可欠だ。小松さんも「詳細はこれからすり合わせしていく」と語った。
医者向けのワークショップでは、日伯友好病院、サンタクルス病院、オスピタル・イ・マテルニダーデ・ブラジルなどの日系医療機関を視察し、胃カメラや最新機器のセミナーも予定する。その他、歯医者向けや弁護士向けのコースも行う予定。
パンアメリカン日系人大会は同協会が主催で、代表はフェリクス・シンゴ笠松会長。海外日系人大会は同協会が主催で、代表は塚田千裕理事長。
ブラジル側事務局(Praca Carlos Gomes, 182 sala2B SaoPaulo S.P.)も正式に発足した。電話は11・3101・3491。新年からスタッフが常駐する。