2006年12月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】全国の学生の半数以上が、本業を終業すべき年齢を過ぎても留年しているという学業の遅れが明らかになった。
ブラジルの教育制度は初等(八年)中等(三年)、高等(大学)となっており、十五歳から十七歳の中等教育では五五%の生徒が留年している。中等に入って学業の遅れがともなったわけではなく、初等での遅れを引きずっている。初等八年生の留年は三分の一以上の三六%となっており、中等でこれに拍車がかかる所似となる。
北東部では中等の留年組は七〇%にも達する。国内教育は近年進歩を見せたものの、これを受けて関係者は、生徒の理解を深めるため、教育の在り方の見直しを求める声が挙がっている。
統計は二十日に発表されたブラジル地理統計院(IBGE)の二〇〇五年度の家庭実態報告の中で明らかにされたもので、初等教育初年度から落第生が生じ、年々増加している。初年度は一六・五%が落第、以後学年順に二〇・七%、二四・三%。二八・七%。三三・一%、三二・九%、三〇・八%、三六・四%となっている。
これが中等になると半数以上になる訳で、専門家筋は大学進学の最大の壁になっていると指摘する。果ては高収入の職業に就けず、今問題となっている所得による社会格差の原因になっているとの見方をしている。
いっぽうで文盲は近年減少し、大都市では五ポイント、農村地帯では七・七ポイント減少を見せたものの、未だに全人口の一一%に相当する一四九〇万人が読み書きできないでいる。アルゼンチンとチリは三%、韓国は一・六%だ。
全国で十四歳までの子どもを有する貧困層は二八四〇万世帯で、このうち一人当りの収入が最賃の二分の一以下が三九・六%を占めている。これらの世帯では教育費に手が回らず、子どもの将来に大きな影響を与える。わずか八・六%が幼児教育を施しているのに対し、最賃三倍以上の収入の家庭では三五・八%となっている。