2006年12月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】外国からブラジルへの難民入国は統計上三六〇〇人となっているものの、実数は二〇万人以上に上ることが明らかになった。
国家難民対策局が発表したもので、近年急増している。これら難民は内戦や宗教間の圧迫から逃れてきたもので、生活難も原因となっている。なかでもコロンビア人が多くを占めている。コロンビアからの難民は合法的に手続きをすると三カ月から六カ月を要し、出費もかさむことで、非合法に入国している。
このほか、ペルー人、ボリビア人、ベネズエラ人、果てはフィリピン人も含まれている。入国ルートはアマゾナス州、アクレ州、ロライマ州の国境を伝ってくる。中でもアマゾン地帯が最も多く、コロンビアからは陸路で国境を越える利点がある。
コロンビアからの難民はほとんどが、警官と武装革命軍との内戦から逃れてきている。親族を殺され、自身も死の宣告を受けた人もおり、命からがら着のみ着のままでブラジルにたどり着いた。これらの人らは教会で収容しているが、国境から少しでも遠い場所に移り住んでいる。ブラジリア、リオデジャネイロ、サンパウロの各市に流れ込むのが多い。
教会筋ではブラジル政府が、ブラジル人の貧困対策に精一杯で、難民支援に手が回らないとの態度を見せていることに、国際取決めに反すると抗議している。しかし、政府は相手国が解決する問題だとの考えを示している。