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サンジョゼ校〃開校〃へ=裁判所の仮判決受けて

2006年12月22日付け

 【既報関連】生徒の二五パーセントを日系が占める「コレージオ・サンジョゼ」は、去る十一月二十一日に突然、今期を最後に閉校することを発表したが、裁判所の仮判決を受けて、学校の再開を決定した。同校は、十八日より来年の生徒の受け付けを始めている。閉校が発表されたときには、生徒や父兄によるデモが起こり混乱が広がったが、開校を決め、このほどようやく落ちつきを取り戻しつつある。
 閉校の発表を最初に聞いたのは生徒らだった。試験日になされた突然の報告に、生徒らは泣いて帰ったという。
 閉校が持ちあがった原因は生徒数の減少。同校を経営にしているサンタカーザ慈善団体のカリル・ローシャ・アブダリャ役員は「生徒の減少は年々顕著になってきている。十年前には千七百人いた生徒が、今年は七百二十四人。毎月六万レアルずつ支出を補填している状態だ。もうすでに、より大きな教育施設にする提案も受けている」と話していた。
 この突然の閉校発表に対し、父兄会やOBなどが抗議。学校前のグロリア街で「私たちは最後まで闘う」「百二十六年の歴史をゴミにするつもりか」と書かれた垂れ幕を掲げ、生徒や保護者らが抗議運動を展開した(十一月二十三日付け既報)。
 また、父兄会が起こした決定差し止めの裁判では、二〇〇七年度の学校継続を仮決定。四十八時間以内にこの決定を守らなければ、一日につき一万レアルの罰金を科す、という内容で、父兄に有利なものだった。
 サンタカーザ慈善団体では急遽委員会を立ち上げて協議し、来年度の開校を決定。十八日から、生徒の来年の入校受け付けを始めた。
 ただ、閉校することが発表されてからの約一カ月間で他校への偏入手続きを行った生徒、納めた学費の返還を要求している親もいるため、父兄会では、各家庭に学校継続の話しを伝え、保護者間の協力を呼びかけている。教員や従業員に対しても、一度解雇が通知されたため、呼び戻しが行われているという。
 現在、クリチーバに本部を置くグループ「BOM JESUS」が今後の学校経営を申し出ており、十八日に提案書がサンタカーザ慈善団体に手渡された。同グループは十一の正規学校を経営し、生徒二千八百人を数えている。
 サンジョゼ校の生徒のうち、東洋系が四〇パーセント、日系は二五パーセントを占める。同校に娘を通わせている丹羽義和さんは「協力して、学校をいい方向に持っていきたい」と話した。