2006年12月23日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十二日】年末のラッシュ時に国内主要空港が混乱したのは民間航空の不手際であると空軍が報告したことを受け、政府は二十一日、航空各社へ経営改善を求めた。空軍航空管制管理局(DECEA)のシウヴァ中将によれば、航空各社は満席運航のため故意に離陸遅延や欠航をさせたという。民間航空庁(ANAC)が、空港パニックのドミノ現象を起こした仕掛け人はTAM航空会社であると非難した。同社はANAC声明を否定。空軍中将が、離陸予定時間の三〇分後に離陸許可を申請した機長は罰すべきであるという。二十一日離陸の航空機は、四四%が一時間以上も遅れた。
コンゴーニャス空港ロビーでは、航空会社の怠慢な応対に怒った乗客らが抗議行動を起こし、空港警備員が催涙ガスを持ち込んで威嚇した。リオのガレオン空港でも乗客らが航空会社のオフィスへ乱入し、事務機器を破壊した。ブラジリア空港では乗客らが滑走路へ突入して空港業務を妨害、空港警備隊と衝突した。
各航空機の搭乗率は平均七〇%で、例年の七五%より弱気であった。ルーラ大統領は空港混乱に関する緊急会議を召集し、航空会社による遅刻運行の実状の究明と、責任の追及をさせた。十八日から飛行予定の一二二七機中、五三九機が一時間以上遅れて離陸、四七機が欠航した。
コンゴーニャス空港は十八と十九日、落雷と豪雨が航空機の離着陸を遅らせた。TAM航空は、六機が整備の手違いでダイヤ混乱の原因となった。航空機は離陸に先立ち、ドアの開閉や通路コネクッション、エンジン推進力が完全整備されないと飛べない。TAMは現在、国内便五〇%のシェアを持っている。
ANACがTAMをロッタソン(満席運行)呼ばわりしたことで、ボローニャTAM社長が搭乗率は高く、満席運行のために離陸遅延や欠航させる理由はないと反ばくした。旅客優先を社是とし、飛び入り乗客の旅行中止や計画変更に対応するため、空便の順番繰り寄せを行うだけという。
TAM機は二十日と二十一日、欠航が続出した。整備中の航空機は、それまでの六機に加え九機がさらに仲間入りをした。整備工場で点検の結果、コンピューターがノー・サインを出すと飛ばせない。通常は全航空機の一%が整備入りするが、二十日は整備トラブルが集中。見ての通り故意のトラブルを否定した。
空港の航空管制がやっと解決したと思ったら、民間航空の離陸遅延や欠航が新たな空港トラブルとなった。ルーラ大統領はANACと空港公団に、乗客が納得の行く説明をするよう命令した。今回のトラブルの責任者追及も求めた。
航空関連機関は乗客を空港に数時間も放置し、責任感に欠けると批判した。航空会社が経営上の問題で乗客に迷惑をかけるなら、なぜ事情を説明しないのか。民間機関が責任を果たさないなら、政府機関が代わって責任を遂行すべきだ。
航空部門は全体に気合いが入っていない。パイロットの不足か、飛ばない航空券を販売したのか。年末年始の空港トラブルは予想できたことであり、誰も事前対処をしないのは怠慢であると、大統領は糾弾した。