2006年12月27日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】下院事務局は二十四日、過去四年間に下議五一三人のうち三八%に当たる一九五人が党を移籍し、議会史未曾有の大移動であったと発表した。党移籍通知は三四五件提出され、七回も党を移動した下議や一日だけ党に留まった下議がいる。寄らば大樹の陰とばかりに大統領選の一次選前と決選前に党移動が集中的に行われ、これら渡り鳥議員は平均二・四日毎に党の間をさまよった。政党法によれば、党の精神が不在の者や単なる腰掛けに利用し党の尊厳を傷つけた者は罰するとあるが、同法は全く無視されている。
下議らは政党の何たるかをわきまえず利己のために党の間をさまよい、ブラジル議会史上で最も不節操な国会議員として名を残した。不倫議員の代表は、パラー州選出のゼキニャ・マリニョ下議(キリスト教社会党=PSC)とロライマ州選出のアウセステ・アウメイダ下議(ブラジル労働党=PTB)の七回である。
二〇〇三年に任期が始まった現在の下議らは、スキャンダルだけでなく党にも不忠実であった。政党法は同法に抵触する者を、議員権はく奪を以って罰するとあるが、改革は掛け声だけで喉元過ぎれば熱さを忘れた。選挙では裏金の廃止を強く求めたが、その後裏金の規模拡大化はあっても廃止の兆候はない。
〇六年の選挙に設けられた少数党に関する政党規制案は、最高裁によって却下された。少数党は最低票を満たさなくも従来通り党交付金を給与され、TVの政見時間を獲得し、議会小委員会で席を確保できるなどの権益が守られた。少数派といえども、口を封じるのは連邦令の精神に反するというのだ。
今期国会で野党のブラジル民主社会党(PSDB)や自由前線党(PFL)から、下議四十七人が与党へ鞍替えした。うち三十四人は初年度の〇三年、賄賂がもらえそうな所へ移籍。次期選挙が有利になるように与党移籍が四十四人、国会の開会前夜に移籍は六人。こうなると、もはや政党ではなく徒党といえそうだ。
選挙高等裁(TSE)のメーロ長官は、選挙から国会開会までの期間を政治の恥ずべき季節と呼んだ。党は公認候補者が当選するために腰弁当で応援したのに、当選してしまえば後ろ足で土をかけるように党を出てゆく。当選が決まると直ちに旗印を変え、礼節の片鱗もない。
ヴェローゾ元最高裁長官は、政党が多過ぎると苦言を呈した。ほとんどは、政党の軒下賃貸や党移籍の仲介料、党権益の賃貸などで儲けている。元長官は今回の少数政党の保護を謳った最高裁判決を批判した。政党は確固とした党綱領と見識が必要で、政党足り得ない政党の乱立は政治の障害であると糾弾した。
議会は過去四年間、秩序と規律が混乱し、国会を維持する最低限の議題を審議する機能が停止していたと元長官はいう。民主政治は政党によって機能する。議員権は政党に属する。政党離脱は議員権の放棄であり、糸の切れた凧となる。これが先進国の政党だと元長官は述べた。