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国道の路面は悪いまま=整備予算、支出増加と逆に=官製談合、水増し架空請求

2006年12月28日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】ルーラ政権となった二〇〇三年以降、年々国道(BR線)の整備修理用に予算が増え、支出がかさんでいるにもかかわらず、一向に改良の兆しが見られない。国庫庁が報告書にとりまとめた。
 それによると、〇三年からこれまでに投入された予算は総計で四九億レアルに上るものの、国道全体の六九%が普通以下の悪状態で、改善の跡が見られないという。〇三年の支出は四億七一九〇万レアルだったのが、〇六年の予算は二〇億レアルへとハネ上がった。
 そのほとんどが穴埋め工事に費やされている。とくに今年の年頭に野党の反対を押し切ってルーラ大統領が五億レアルの追加予算を承認したことが注目された。野党側は選挙対策だと猛反発した。建前は二万七〇〇〇キロに及ぶ穴埋め工事だったが、工事完了の数カ月後には穴だらけに戻ってしまった。
 報告書は予算の無駄使いだと決めつけた上で、その原因を工事管理者の行き当たりバッタリの無計画な工事計画、入札の際に官製談合が白日のもとで平然と行われていることによる水増し請求の汚職の横行、業者の悪質で安価な補修材料や機器の使用などを挙げ、これを監督する機関が実在していないのが最大の原因だと指摘している。
 国庫庁が一〇一カ所の国道の修理状況を調査したところ、四八カ所で悪質な不法行為を発見した。パラナ州ではBR476号線の三カ所での七〇キロに及ぶ穴埋め工事で、官製談合による特定業者の指名、それによる水増し請求、実際に行われなかった工事の架空請求などが発覚した。また、マット・グロッソ州では入札が行われないまま、業者が工事を完了した後で契約書に調印して代金が決算されるという無秩序ぶりだった。
 国道は全国で七万一〇〇〇キロに及ぶが、その八〇%は寿命である十年を超えており、修理を必要としている。道路に亀裂が生じているのがほとんどで、これが穴ぼこの原因となる。道路筋の緊急駐車地帯は言わずもがなで、数年間放置されているのがほとんど。標識も不足しており、例え設置されていても草や木の陰となり見えないのが実情。これにより事故が多発し、人命が失われることで経済にも悪影響を及ぼすと指摘している。