2006年12月29日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】来年度の一般消費は向上するとの楽観的見方が大勢を占めていることが、意識調査で明らかになった。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が毎月発表している消費者信用指数(ICC)によるもので、十二月の指数は二・二%上昇して一一一・七ポイントとなり、昨年九月に調査が始まって以来、最高の水準を記録した。また、来年度の期待度も押しなべて高く、楽観的見方が強まっている。
この指数は消費の実態と今後の指向を係数で表すもので、一〇〇ポイント以下がマイナス、一〇〇ポイント以上がプラス現象(最高は二〇〇ポイント)とされている。今回の調査は七州都の二〇〇〇人を対象に十二月一日から二十一日にかけて行われた。
十二月度の指数の上昇は高所得層の活況によるもので、月収四八〇〇レアルから九六〇〇レアルのクラスでは六・二%、九六〇〇レアル以上の層は五・七%の上昇となった。これと対照的に二一〇〇レアル以下のクラスはわずか〇・八%の上昇で、二一〇〇レアルから四八〇〇レアルでは四%の下落を見せた。
昨年九月からの推移を見ると、今年一月が一一〇ポイントの最高となった。総選挙による経済効果を期待してのものとみられているが、効果が表れなかったことからその後低下を見せ、五月から七月にかけては一〇〇ポイント台になった。
指数は二つの要素に分かれており、一つは今後の期待度で、今回の調査では十一月度の二・五%を上回り、三・三%を示した。もう一つは消費の実態で、十一月の一%から今回は一・五%の伸びとなった。
期待感をともなう楽観的見方は貧困層が実勢を占めている。二一〇〇レアルまでのクラスは六八・三%で、四八〇〇レアルから九六〇〇レアルの層が五二・七%で次ぎ、二一〇〇レアルから四八〇〇レアルでは四七・一%で半数を割った。九六〇〇レアル以上の高所得層は四五・一%と最も低い。これはルーラ大統領が二期目の政権に向けて具体的な政策を打ち出していないことで、様子見の状態でコメントを避けたのが原因となっている。