2007年1月1日付け
仕事で定年を迎えた人など、家から出なくなる傾向にあり、生活の習慣もバラバラになってしまう。
栄養士のエレーナ・ユカリ・アダチさんは、「変な時間にお腹が空き、決まった時間に食べないことも問題」と指摘する。
健康を保つためには、「規則正しい生活を送ること」が重要と強調する。
また、骨粗しょう症、肥満、糖尿病、高血圧、脱水症状、便秘、高コレステロール、高尿酸などの進行性の病気を改善するには「食事療法が一番効果的」と述べている。
例えば、「水分をよく取ること」は、高齢者にとってとても大切なこと。
高齢者の多くは、常備薬など薬を摂取する。水分は、体内から余分な成分を排出させる働きがある。
尿が濃いのは、水分不足のせい。水分不足が悪化すると、「薬が体内に蓄積し妄想が見えてくる」症状も出てくることもあり、一日にできるだけ多くの水分を取ることを薦めている。
また、食べ過ぎないこと。体に良い、美味しいなどと、食べ過ぎてもダメ。好き嫌いをせずに、多くのものを少量ずつ摂取することが効果的。
糖分・塩分の取り過ぎで糖尿病の人も少なくない。脳卒中の恐れもある。
甘い物に慣れてしまっている人は、アドサンチ(人工甘味料)に変える。味が苦手の人は、砂糖とアドサンチを混ぜるなど、とにかく「糖分を控える」ことが大切だ。
「骨粗しょう症」を予防するには、牛乳を飲むのが一番。チーズ、ヨーグルト、小魚でもいい。なるべく毎日カルシウムを摂取し、「歩くこと」を加えれば、カルシウムの吸収も良くなる。
【健康に老いるための10箇条】
(1)食事(朝・昼・おやつ・夕)の時間を定める。
(2)食事の量を定める。(3)食べ過ぎず、糖分・脂肪は、果物や野菜、 煮物から取り、揚げ物はオーブンで焼くようにする。
(4)水分はよくとる(最低でも一日に1200ml)。
(5)炭酸飲料水はさけて果物ジュースには砂糖を加えない。
(6)塩分を減らす。
(7)一日にコップ一杯の牛乳を摂取する。
(8)野菜や穀物を摂取する。
(9)果物は一日一個摂取する。
(10)アルコール類は控え目にする。
認知症(ボケ)を予防=体を動かし頭に刺激を
老化というのは、脳の細胞が死んでゆくことから起こる現象。つまり、脳の働きを活発にすることで老化現象を遅くすることが可能だ。
脳に病気があったり、老化に伴ない脳の機能低下が原因となって生じる「認知症」を防ぐにはどういった方法があるのだろうか。
五十嵐さんと高橋さんは、「指」「足」「目」「口」―。体の全部分の活動が脳に刺激を与えているため、「体を動かすこと」が認知の速度を遅くすると述べている。
例えば「良く噛む」ことから始めよう。
三度の食事の際に、良く噛んで飲み込むだけで、脳の作用を十分に促進させることができる。
他にも、「料理」「陶芸」「手芸」「将棋」「碁」などの趣味をもったり、思い切って「旅行」に行ってみるなど、とにかく体を動かすことで脳に刺激するのが最良だ。
加えて「社会性」を身につけることが重要だ。
例えば、毎朝「ラジオ体操」に参加することは、規則正しい生活ができるほかに、仲間とともに行動をすることで他人から刺激を受けることができる。
まず、「一歩外へ」といった心掛けを持つことが大事。
介護者が疲れないために=もっと支援団体に相談を
介護に携わるもの多くは家族だ。
そこで生じる問題は、「過保護になり易いこと」と中川さん。
「自分でやってあげた方が早いから」「危なっかしい」などといった理由で、本人にやらせない行為が高齢者の自信を無くしてしまう。
自分でやろうといった意志ある場合は、気長に待ってあげることを薦めている。
介護者は、本人のやる気をそがないように気をつけなければならなく、根気が必要で、介護者のストレスも多大だ。
そこで、中川さんは、介護者が〃潰れて〃しまわないためにも、介護や高齢者にまつわる相談を聞いてくれる「支援団体」の利用を薦めている。
問題を共有することで「情報を得る」以外に、「ストレス発散」にも繋がる。
介護者が倒れてしまっては元も子もない。
「自分だけで抱えていないで、話を聞いてもらえる場所を探すことも大切」と中川さんは話している。