2007年1月5日付け
サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は先月二十八日、〇六年最後の定例理事会を開催し、二〇〇七年度の予算(案)が同会史上最高額となる、一億四千百七十五万七千百レアルになる見通しを発表した。
尾西貞夫財務委員長(第一副会長)によると、例年通り、友好病院の予算が突出。全体の九〇%以上を占める一億三千二百五十七万五百レアルの収支を計上した。
援協本部の収入は、会員会費と基金からの受け入れ額で百四十九万五千五百レアル、支出は九十六万千七百レアルになる。
行政から支援を受ける奄美事業所を除くと、サントス、カンポス、やすらぎ、スザノ、あけぼのの傘下施設は収支ともに、四十五万二千三百レアルから百十四万四千レアルに納まっている。
福祉部(八巻和枝部長)は九十二万二千九百レアルの収入を予定。そのうち日本政府からの移住者保護対策費として三十六万九千レアル、本部扱いの寄付金二十六万九千九百レアルが中心を占める。
支出は、日系社会の高齢化を反映してか、援護費が昨年より約七万レアル増の百四万六千八百レアルを占め、三十八万九千六百レアルの赤字予算を組むことになった。
巡回診療班(根塚弘班長)も十九万七千レアルの赤字予算。ドル安レアル高の影響もあり、JICAからの助成金が昨年から約三万レアル減の十万五千レアルに大幅減少したことが響いた。
これらの運営予算案のほかに、援協の新規事業計画とその費用が発表された。はじめにサンパウロ市リベルダーデ区に予定する援協福祉センターの建設推進が確認され、初期予算として六百万レアルを計上することが承認された。
この金額は、センター建設の具体的な費用がわからない現段階のもの。本部扱いで日伯友好病院の運営費と神内医療基金から三百万レアルずつを計上し、来年度も同様額以上の予算が計上される運びだという。
日伯友好病院も特別事業費として、八百六十六万三千レアルを今年度の収益からあてる。これらは磁器共鳴診断装置(MRI)、R―X機、手術機など先端医療機器の導入ほか、UTI(集中治療室)の増設、緊急診療所並びに手術センターの拡張にあてられ、席上、改めて積極的な病院運営を目指していくことが示された。
具志堅茂信事務局長は「〇七年は福祉センターの建設や友好病院の設備投資など、援協が創立して以来の予算を計上する。一福祉団体ではあるが、安定した運営を続けていくためにも時代の流れにあわせた積極的な運営がより求められるでしょう」と話している。