2007年1月6日付け
去る十二月三十一日大晦日午前九時過ぎから、サンパウロ市リベルダーデ広場では〃真夏の風物詩〃第三十六回餅つきが行われ、グローボ局やSBT局なども取材合戦を繰り広げるなど賑やかな年越しとなった。
最初に主催団体、リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)の池崎博文会長が「新年も役員一同、町を良くするために頑張る」と宣言、この一年間、東洋人街をひいきにしてもらった礼を参集者に語った。
松尾治県連会長は、ACALが日本の伝統習慣を続けてきた努力を讃え、新年の繁栄を祈念。さらに十数年、毎年出席しているロメオ・トゥーマ上議は「ここで餅を食べないと年越しする気分にならない」とユーモアたっぷりに語った。所轄の第一署のロベルト・ブエノ・メネイエス署長も出席した。
ラジオ体操の会員らは当日に餅を搗いたほか、前日にも一万二千個の丸餅を二つずつ袋詰めするなどの準備をし、六千人に配った。
参集者は南米大神宮が設置した茅(ち)の輪をくぐり、同神宮の祭壇前で逢坂和男宮司が一人一人と握手した。これはお祓いの一種で、茅の輪をくぐることによって疫病除けになると言い伝えられている。
午前十一時、来賓一行は東洋会館に会場を移し、日本時間で新年を祝った。最初に網野弥太郎評議員会長は「前に向かって突進する年に」とマイクで語り、「移民送別の歌」「蛍の光」「一月一日」やポ語の新年の歌を合唱した。
鏡割りが行われ、酒井清一援協会長により乾杯。当日振る舞われた五百食のお雑煮は、瞬く間に来場者のおなかに消えた。
来場者の一人、山田富子さん(82、北海道出身)は「ここのお雑煮を食べないと一年が始まらない」と微笑んだ。百年祭に向けて『女の一生』という本を書いて出版する夢を語った。
ラジオ体操の馬場康二さん(68、福岡県出身)も「ここのお雑煮は日本と同じ味」と太鼓判を捺す。
日本文化に興味を持っており、初めて参加したサンジョゼ・ドス・カンポスで大学教師をするヴィクトル・アントーニオ・デ・リマさん(46)は、「このようなイベントは日伯文化交流に重要な貢献をしている」と感心した様子。
文協代表で出席した小川彰夫副会長も、ブラジルTV局スタッフが会場を撮影する様子を見ながら、「このイベントはすでにブラジルの文化、祝い事になっている」と語り、ブラジルの年中行事として定着した祭を高く評価した。