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フォルタレーザ文協再開=非日系を含めた活動を=ブラジル人が日本文化に興味=「それなら応えよう」と

2007年1月9日付け

 【フォルタレーザ】一度解散した日本人会が、再び活動をはじめた――。日本人は稀(まれ)だと珍しがられる、セアラ州州都フォルタレーザ。七年前に活動を中止、組織の解散を決めた同地の日本人会(藤田ジョン・バチスタ会長、二世)が、昨年四月に執行部を組織、日本人会として市への登録も済ませて、十一月には運動会を開催した。「今、ブラジル人は日本文化に興味を持っている。非日系も取り込んで、これから大きくなっていければ」と同会副会長の長野英二さん(43、二世)。北東伯で、新たな日本人会の活動が始まっている。
 「いつも同じ人しか参加しなくなって、準備も問題のことについても同じ人ばかりがしていたから」。約百家族の会員がいたというフォルタレーザ文協が七年前に解散を決めた理由を、長野さんはそう振り返る。「距離も遠いし、バラバラだったから」。
 ところがこのほど、日系人の三世らが中心となり、日本人会の活動を再開することを決めた。そのきっかけは「(在ブラジル日本国)大使が来たときに、日系人が集まって大使と食事をしたこと」。
 〇五年十月、堀村隆彦前特命全権大使が、日系企業や日系社会の視察のため同地を訪れた際、日系人ら八人と日本食料理店「金魚」で会食。「大使が来たことでみんなが刺激されて、その後になにかと集まるようになったんだ。大使が日本人会のことを勧めたというわけではないんだけど、それがはじまりだった」。
 そののち食事会などに、十家族ほどが参加。会合を繰り返していくうちに、協会を立ち上げようという話がでた。知り合いを伝って、会員の参加を呼びかけた。
 現在の会員は、約百五十家族。フォルタレーザだけでなく、ソブラウなどの奥地や、アラゴアス州マセイオの日系人もフォルタレーザを訪れたときには参加しているという。
 「昔の人と、今の若い人が一緒にやってるから今度はうまくいくんじゃないかな」。昨年九月に国際的なピアニストの鈴木裕子さんが来伯、公演(国際交流基金主催)を行った際には日本人会も協力し、十一月には運動会を開催した。
 約三百人が集まった運動会に「子供たちがすごく関心を持っていたよ。昔使っていたものも見つかったし、これからいろんな活動を計画していこうって、考えています」。
 会員は日系人のみだが、行事には多くの非日系が参加。「大使は、日系人だけでなくて、非日系とも交わっていくように勧めてた。だから、この会は非日系を取り込んで大きくなっていければいいと思う」。
 第二次大戦前後にはじめて日本人が入植したというフォルタレーザ。「いま、日系人が増えつつある」という見方もあり、これからの日本人会の活動が期待されている。