2007年1月10日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ルーラ大統領は八日、今年に入って南部および南東部を襲った低気圧による集中豪雨などの天災被害に対し、総額二億七〇〇〇万レアルの緊急支援費を支出することを決定、同日付で大統領令を発令した。
このうち一億三九三八万レアルは、被害が最も甚大だったリオデジャネイロ州を中心とした国道(ミナス・ジェライス州とエスピリト・サント州を結ぶBR一〇一号線とBR三五六号線など)の修復に当てられる。今回の集中豪雨で地滑りやヒビ割れ、事故防止柵、橋梁の破損など各所で通行不能となっており、修復が急務となっている。
運輸省では各地の被害状況を十日までにとりまとめて報告するとしているものの、このまま降雨が続けばさらに被害が拡大するため、緊急支援の増額はやむを得ないとの認識を深めている。
リオ州ではこのうち八一二〇万レアルの支援を受ける。同州カブラル知事は災害発生後、逸早く各市長に被害状況を報告させた上でとりまとめ、ルーラ大統領に直接電話して救援を仰いだ。同知事によると、「長電話にもかかわらず大統領は快く聞いてくれ、当方の五〇〇〇万レアルの支援要請にさらに上乗せして八〇〇〇万レアル以上を支出してくれた」と手放しで喜んでいる。
当局がとりまとめた一日から八日午後十時半現在の南東部三州の被害状況は死者が三十七人で(サンパウロ州四人、ミナス州三人)、このうちリオ州では三十人に上った。負傷者は十三人で、家屋を失ったのが五九四七世帯、避難を余儀なくされたのが六七二八世帯に達した。床上浸水は一万二〇〇〇世帯以上と見積られている。
なかでも被害が最も甚大だったカンポス市に対し、同州政府は優先的に救援作業を行うことを決定した。同市では中心を流れるパライバ・ド・スール川が過去一〇〇年間で初めてとなる、水位が一一メートル上昇して氾濫し、市内を埋め尽くした。さらに交通の要所となっている同州に架設した橋が決壊したことで市の機能がストップしている。
また十一人という最大の犠牲者を出したノーバ・フリブルゴ市でも地滑りによる家屋倒壊の危機にさらされており、緊急支援対象の一つに指定されている。主要幹線の州道も危機に直面しており、現在三つの州道が通行止めとなっている。これに対し州政府は三一二〇万レアルを投じて修復に取りかかることを決定した。