2007年1月11日付け
ガルボン・ブエノ街にある遠藤ビル地階の、日系食品店などが集まったガレリアが四月いっぱいで立ち退きになる。八〇年代初頭から九〇年代半ばまで、ウニベルツールで知られたあの場所だ。その後、ガレリアになったが当初は人だかりのする雰囲気ではなかった▼六年前に開店した日系食材店「海鮮」から盛り返したといっても過言ではない。開店当初は三、四店しかなく客足もまばらだったが、今はたこ焼き屋まであり大繁盛だ▼最初に「ブラジル銀行がここに移るんだってね」という情報をもたらしたのは客だったという。遠藤ビル側から正式に説明があったのは去年十一月頃。正式に立ち退きが決まったのが十二月だった▼「海鮮」やたこ焼き屋は、ガルボン街のすぐ下手に移転するが、まだ決まっていないところも。差し迫ってから移転先を探すと、近隣の不動産屋で「足下を見られる」と危惧をいだく店主もいるようだ▼客が集まるようになり価値の高まった場所を、より高く払うところに貸すのはビル運営会社の常…。とはいえ店子にとっては、華やかだが賃料の高い広場近くに移転するのは難しい。後に入るのは、デカセギ専用窓口をいち早く開いたことで有名な伯銀支店▼ブラジル社会からは「日本のペダッソ(断片)」といわれるリベルダーデなのに、どんどん広場付近から日系店が離れていく。グロリア街やバロン・デ・イグアッペ街などは中華料理屋ばかりが次々に新規開店し、さながら中華街。「東洋人街」だからそれも良いという人もいるが。ふと思った。十年後はどんな姿だろうか、と。(深)