2007年1月17日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ルーラ大統領の二期政権に向けての経済政策として政府経済スタッフが検討中の投資促進計画につき、大方のエコノミストが実態にそぐわないとして否定的な見方をしている。
促進計画の具体策は今月二十二日に発表される見通しだが、骨子は、国内総生産(GDP)対比二五%の投資を促すもので、これにより経済成長を加速させてGDP成長を年五%以上にしようというもの。政府は、公共投資はもとより、民間に対して税制恩典などの措置を施して投資意欲をかり立てる意向を示している。
これに対しエコノミストらは「絵に描いた餅」だとした上で、予算もないままにプランが先行していると決めつけている。その上で卵がないのにオムレツを作るようなものだと揶揄(やゆ)している。
この背景として現在の投資はGDPの二〇%の域を出ず、このうち政府の公共投資はわずか二%のみで、残りは民間企業に頼っている状態となっている。このため政府は社会保障院(INSS)や税制改革などの難題を抱えている中で、投資まで手が回らないとの見方が大半を占めている。いっぽうで、民間企業は投資に関し、特別融資枠の設定や、免税あるいは減税の恩典がなければ実行が困難だとしている。
促進計画に逆行する出来事が先週二件起きたことも不安材料となっている。一件目は八日、上下水道基本法案をルーラ大統領が裁可した際に、投資企業の社会統合基金(PIS)や社会保険融資納付金(COFINS)を免税とする条項を削除したこと。二件目は十日、ロウセフ官房長官が国道の保全管理の委託入札を一時中止すると発表したこと(本紙十二日)。これについて翌日、同長官が中止ではなく形を変えて入札を行うと訂正発表するおまけが付いた。