2007年1月17日付け
ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の新年会が十二日、サンパウロ市内のブルートゥリー・モルンビー・ホテルで開かれ、約百三十人が参加した。今年最初の定例昼食会。西林万寿夫在聖総領事は新年のあいさつとともに、来年に迫った百周年への協力を呼びかけ。田中会頭も会議所の重点施策の一つとして百周年を挙げ、記念事業への会員企業の寄付についても具体的な基準を示すなど、会議所側の姿勢を明確にした。
新年らしくおせち料理と雑煮が用意された会場。田中会頭は冒頭のあいさつで、「ブラジル経済は三年越しの安定成長を続けている」と述べ、引続き堅実な歩みを続けることに期待を表した。一方でブラジルが他のBRICs諸国や新興国と比較して成長率が低いといった問題点を挙げ、成長促進のためには「即効薬的な短期施策ほか、懸案の税制、労働、年金などの基本的な諸改革が不可欠となる」と話した。
会議所の活動については、今年も「開かれた会議所、チャレンジする会議所、全員参加の会議所を目指すこと」をスローガンとして、「『機能し、役立つ会議所を目指す』と同時に『公共的団体としての役割を果たしてゆくこと』を基本方針にしてゆきたい」と目標を揚げた。
来年に迫ったブラジル日本移民百周年と日伯交流年については、「今年は具体的募金活動が開始される年となる」として、資金提供者である企業に対して案件を十分に検討するように呼びかけた。さらに進出企業へのアンケートで「寄付対象を明らかにして各社独自の金額を寄付する」という意見が多かったことを紹介。資金提供の条件として「案件が百周年行事としてふさわしい」「案件内容が起案者により十分に検討され、現実性、実現性があること」「案件の金額が現実的。資金調達計画に現実性があり実現可能性が高いこと」の三点を挙げた。
会頭は「経済交流においても、百周年・日伯交流年においても、今年は具体的進展が見られる年になるため、(今年は)官民協力が緊密化が必要となる」と強調、そのために、西林総領事の賛同のもと、今後同会議所常任理事会で定期的な意見交換の場を設けることを明らかにした。
続いて西林総領事は、〇六年はPCCや襲撃事件、年末のリオ騒動など、世界的に取り上げられる問題が目立った年と振り返り、「今年は大統領も新しく就任されて政治が仕切りなおしになる年。何とかして政治の力で治安の面の協力をブラジル政府に要請してゆきたい」と発言。
また今年七月、日本で行われる参議院選挙に触れ、在外選挙権を大いに活用してもらいたいと話した。
百周年については「田中会頭とともに執行委員会などにも出席し、準備を進めている」として「免税手続が取れる受け皿機関についても弾みが付いてきた」と述べるとともに、「準備が着々と進み、なんとか現実的な形に持ってゆけそうだ」と報告した。
さらに総領事館として「日本との交流を深めようとした活動が多いと予想される『日伯交流年』を大いに利用して頂きたい」と会議所に対して述べ、ともに成功させようといった意志を明確にした。
食事後、〇七年度常任理事と監事が紹介され、各自抱負を語り、その後、渡邉祐司部会長から『コンサルタント部会経済セミナー』について、また、大前孝雄日伯経済交流会委員長から三月にブラジルで『日伯経済合同委員会』が開催されることなど連絡事項が伝えられた。
その他、会社代表挨拶では、資生堂・ド・ブラジルの岡田秀樹代表があいさつ。新入会員として、ガス・コンロ機器製造会社『ハーマン』の河崎秀雄代表と『実業のブラジル』の永田翼社長が紹介された。